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2019年05月11日23:52

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Brams ZyklusⅠ(前半)

2019年05月11日 14:00開演
会場：ザ・シンフォニーホール

出演者(敬称略)
指揮：尾高忠明

管弦楽：大阪フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター：崔文洙
合唱：大阪フィルハーモニー合唱団
合唱指揮：福島章恭

曲目
ヨハネス・ブラームス(1833～1897)作曲
ハイドンの主題による変奏曲Ｏｐ．56a

ミヒャエル・ヴァイセ(1488頃～1534)作詞
混声合唱曲「埋葬の歌」Ｏｐ．13

休憩

交響曲第１番ハ短調Ｏｐ．68

尾高忠明さんが音楽監督を務める大フィルを指揮するBrams Zyklusが始まった。去年は
ベートーヴェン交響曲全曲演奏会をやったので今年もブラームス交響曲全曲演奏会かと言えば
単なる交響曲全曲演奏会ではない。今回のZyklusⅠ～Ⅳの各回に同じ番号の交響曲を当てる
のだが合唱曲がセットになっている。
今回の曲目を見渡すと聴いた事がある曲で全く未知の曲を挟むプログラム。プログラム最初の
ハイドンの主題による変奏曲Ｏｐ．56aは実は昨夏の「のだめ」で聴いた。
その時、茂木大輔さんは「本曲は交響曲第０番と言えるのではないか。」と仰った。作品としては
演奏時間18分なので交響曲にしては小振りだが変奏が何と第８変奏まである。
抑々本曲何故ハイドンの主題とあるのか、と言えばＣ．Ｆ．ポールというハイドン研究家から
ディベルティメント変ロ長調Hob.Ⅱ－46という新発見の作品を教わり、同曲第２楽章から主題
を採ったから、である。ホーボーケン番号付きなのに今ではI．プレイエルの作品だと言われて
いるから罪作りである。であるとしてもブラームスがハイドンの作品に興味を持っても不思議
はない。何故ならＦ．Ｊ．ハイドンはベートーヴェンの師匠であった。ブラームスは
交響曲第１番を書くのに23年を要した。その間、様々な試行錯誤を重ねたが、
その成果であると言える。23年かかった要因はベートーヴェンへの敬愛。
出だしが聖アントニウス讃歌と言われている。本公演オーボエが何れの曲も素晴らしかった
が、出だしはオーボエのソロ。そして本曲を紹介されたのが当時Ｎ響首席オーボエ奏者で
あった茂木さん。祝典のような華やかな始まり。これは18世紀の管楽合奏へのオマージュ
なのだ、と白石知雄さんがプログラムノートで解説されていた。第２変奏から弦楽が加わり
様々な種類の音楽が現れる。明るかったり暗かったり。交響曲全曲演奏会という視点では
終曲がパッサカリアになっているのは重要。パッサカリアはバッハの音楽のイメージなので
音楽史に通じていたのだな、と思う。最後の方でトライアングルが出てくる。
ブラームスは1857～59年デトモルト宮廷で合唱団を指導していたが本曲は女声合唱アヴェ
マリアＯｐ．12と共に初期の合唱曲。何と弦楽奏者が全員引いてしまいフルートもトランペット
もいない。逆にトロンボーンやチューバがいて重低音。本曲は本当に埋葬する時に使われる
ような曲。字幕が出ていたが、そういう印象。ある意味で死者の為のミサ曲であるレクイエム
に似ている。例えば「審判の日に復活」とか「女神のラッパ」というディエスイレを連想させる
歌詞が含まれる。違うのは被埋葬者に対してのみの歌ではない事。「我らは共に己の道を
行こう(中略)死は我らに等しく訪れるのだから」で終曲となる。当ホールはサントリーホール
のモデルになった、と言われるホールで今日はオルガン側に座っていたが尾高さんが
真っ赤な顔で振っているのが見えた。(つづく)

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