mixiユーザー(id:5089039)

2019年03月29日11:07

269 view

ギーター(魂と肉体)

バガヴァッド・ギーターには全部で700の詩句がありますが、長谷川澄夫訳「ギーター・サール(バガヴァッド・ギーターの神髄)」では、その中から150の詩句を集め、各題目につき別々の章から詩句を選び理解しやすいように配列しています。なお。長谷川澄夫訳のものは青色で記入し、田中嫺玉訳「神の詩・バガヴァッド・ギーター」は黒色で記入します。

<1>魂と肉体
★ギーター/2-23
(長谷川訳)
魂(アートマー)は刀で切ることもできなければ、火で焼くこともできない。魂は水で濡らせない。そして風も乾かすことはできない。
(田中訳)
どのような武器を用いても、魂を切ったり破壊(こわ)したりすることはできない。火にも焼けず、水にもぬれず、風にも干からびることはない。

★ギーター/2-13
(長谷川訳)
肉体に覆われた魂は、現世でこの肉体に於いて、子供時代、青年期、そして老年期を過ごして行く。そのようにして死後、魂は別の肉体に出会っていく。冷静な人(賢者)はこのことに囚われ惑わされない。
(田中訳)
肉体をまとった魂は、幼年、青壮年を過ごし老年に達し、捨身(しゃしん=インドでは死ぬことを捨身、すなわち肉体を捨てる、と言う)して直ぐ他の体に戻るが、自性を知る魂はこの変化を平然と見る。

★ギーター/2-20
(長谷川訳)
魂は、いつ生まれるということもなければ、いつ死ぬということもない。魂は一度生じて、再び生じない、というようなものでもない。魂は誕生もない、永久のもの、時を超えており、そして常に存在するもの。肉体は滅んでも魂の死滅はない。
(田中訳)
魂(真実の自己=アートマン)にとっては誕生もなく死もなく、元初より存在して永遠に在りつづけ、肉体は殺され朽ち滅びるとも、かれは常住にして不壊不滅である。

★ギーター/2-22
(長谷川訳)
人が古い衣服を捨て、新しい衣服に着替えるように、魂も古い肉体を捨てて、新しい肉体を纏う
(田中訳)
人が古くなった衣服を捨てて、新しい別の衣服に着替えるように、魂は使い古した肉体を脱ぎ捨て、次々に新しい肉体を着るのだ。

★ギーター/2-19
(長谷川訳)
この魂は、殺すと考える者、そして、殺されると思うのも、そのどちらも、真実を知らない。魂は誰かを殺すのでもなければ、また自らいつ殺されるものでもない。
(田中訳)
生物が他を殺す、また殺されると思うのは、彼らが生者の実相を知らないからだ。知識ある者は自己の本体が、殺しも殺されもしないことを知っている。

★ギーター/2-28
(長谷川訳)
アルジュナよ、すべての生き物たちの、始めのことを何ら知ることもなければ、またそれらの終わりについても、知ることはない。我々は、唯その中間に於いてのみ知るのだ。それ故、それらに拘わってどうして悲しむことがあろう。
(田中訳)
万物はその初めにおいて色相(かたち)なく、中間の一時期に色相を表し(肉眼で見えるのは一時的現象である物質体だけ)、終わりに滅して無色相となる。この事実のどこに悲しむ理由があるか。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する