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2019年03月15日12:04

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エッセイ集560:「アインシュタインから理系・文系の距離を考える」

<アインシュタインから理系・文系の距離を考える>
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昨日は人類最大の物理学者といわれるアインシュタインの生誕140周年でした。

それと軌を一にするように、新聞には「地球から約130億光年先に巨大ブラックホールが83個発見される」というニュースが報じられていました。

それは130億光年先の宇宙から光速で届いた情報、すなわち130億年前の姿です。また宇宙は138億年前に出来たと言われていますから、宇宙誕生後間もない(8億年後の)姿とも言えます。その巨大ブラックホールが現在はどうなっているかは130億年後しか分かりません。

こういう話はいわゆる理系の話ですが、果たして理系と文系とはどれぐらいの差(距離)があるのでしょうか?

例え話になりますが、りんごもみかんも万有引力下では同じ加速度で落下します。一方、りんごが好きな人もいれば、みかんが好きな人もいます。強いて言えば、前者が理系発想、後者は文系的発想と言えます。

アインシュタインの言葉に「The important thing is not to stop questioning. (=大切なのは疑問を持ち続けることだ)」というのがあります。

一方、アーヴィング・ホウという社会学者は次のようなことを言っています。
「今日でも知識人のあり方のうちでもっとも立派なものは、社会と関わり合いを持ちながらも、冷静さを保ち、孤立も辞さず、好奇心にあふれ、真剣で、懐疑的な精神の態度である。批判的独立という旗はボロボロに破れてしまってはいても、今日でも、われわれの持つ最良の旗なのである」

こうして比較してみると、物理学者のアインシュタインも社会学者のアーヴィング・ホウも全く同じことを言っているように思えます。

最近は、社会活動・経済活動における理系と文系の役割の差が縮まってきたと言われます。

しかしこの二人の言葉には、社会活動・経済活動というよりももっと根本的な、理系・文系を超えた人間の生きていく態度や勇気、さらに創造力の源泉というものが隠されているのではないでしょうか。
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