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2019年01月17日23:48

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１．17祈りのコンサート2019

2019年01月17日 18:30開演
会場：神戸文化ホール中ホール
出演者(敬称略)
指揮：阪哲朗

管弦楽：神戸市室内管弦楽団
合唱：神戸市混声合唱団

１月17日は阪神・淡路大震災の日です。1995年の事ですので当時12歳でした。それから24年が
経ちましたので、倍生きた事になります。そんな日なので、と言うべきでしょうか神戸では神戸市
室内合奏団と神戸市混声合唱団が合同でレクイエムを演奏する事が慣例となっています。
レクイエムと言っても様々な作曲家が手掛けています。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685～1750)作曲
２つのヴァイオリンの為の協奏曲ニ短調ＢＷＶ1043
ソリストＶｎ１：森岡聡、Ｖｎ２：西尾恵子

前プロはバッハの二重協奏曲。実は神戸市室内管弦楽団は室内合奏団時代に収録しており
私はレパートリー曲と認識している。その盤であるがソリストは岡山潔音楽監督夫妻であった。
岡山さんに師事されたお二人は、それをよくご存知であったろう西尾さんが天井を見上げて
いたのを覚えている。
本曲はＶｎ２から始まる。生演奏を聴くのは初めてで全く知らなかった。大バッハが多用した
フーガが展開される。実にバッハらしい明るくはないが溌剌とした音楽。
バッハのヴァイオリン協奏曲にチェンバロが要るのは知っていたが本曲も。
何と阪さん自ら演奏。
阪さんの指揮は、もう何回も聴いているが期せずしてチェンバロを初めて聴かせて頂く。
最後の最後の和音でニ長調に転調する。第２楽章もＶｎ２から始まるが明るくなる。
Largo ma non tantoだから緩徐楽章であるが、そこまでゆっくりではない。
終楽章はAllegroでアップテンポ。
神戸市室内管弦楽団首席奏者二人のソリスト同士の掛け合い、オーケストラとの対話を
楽しむ事が出来た。そう、今夜は音を楽しむ事が出来る事に感謝する日なのだ。

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756～1791)作曲
死者のためのミサニ短調Ｋ.626
Ｓｏｐ：内藤里美
Ａｌｔｏ：野上貴子
Ｔｎ：秋本靖仁
バリトン：高橋純
コンサートマスター：森岡聡

15分休憩を挟んで今年はモツレクが奏される。モーツァルトは神戸市室内管弦楽団の十八番
であるがモツレクは生演奏を聴いた事がない。モーツァルトはケッヘル番号が示す通り600曲
を作曲したと言われるが短調の作品は30曲と少数である。しかも本曲は遺作。
未完の作である。死者のためのミサ曲をレクイエムと呼ぶのは冒頭がレクイエムという言葉
から始まるから。「主よ永遠の安息を彼らに与えたまえ」という意味の歌詞が続く。
第２曲キリエは、あわれの賛歌。３曲目の「怒りの日」は、とても有名な曲であるが、この位置
に来るのは早過ぎる、とプログラムノートにあった。第３章続唱の冒頭。とても情感的な音楽
であると思うが、この怒りとは果たして神の怒りなのか。歌詞にある通り、神戸の街は、あの
日、灰に帰した。５曲目に本当に審判のラッパが、と言いたい所だがトランペットが。
第３章はアーメンで閉じられて第４章でも四重唱、第５章サンクトゥス・ベネディクトゥスは
「聖なるかな」で始まる感謝の賛歌。こちらの四重唱では16分音符が多用される、と
プログラムノート。
８月に神戸市混声合唱団のコンサートへ行ったが女声のソリストはお二人とも出演されていた。
また偶然、先月、第九を内藤さんのソロで聴く機会もあった。合唱団はソリストを発表して
いなかったので全くの偶然である。驚いたのは本曲オルガンが必要であるが残念ながら
パイプオルガンがないホール。と言う訳でハモンドオルガンであったが先月サン=サーンスの
交響曲でオルガンソロを務めた追中さんが弾かれていた。
本曲については私の不勉強を感じた。モーツァルトの懐の深さ。学ぶ事で亡くなった6,434名の
方々の供養となると信じて。

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