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2018年12月27日13:03

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明石スタジオ閉館で、ちょっとホラーな思い出話(つづき)


<再掲載のネタです。知ってる方はごめんなさい>


明石スタジオさんの楽屋は、
入ったところに、かなり広い部屋がひとつと、
その奥に小さな部屋がもうひとつ。

で、私は、もう1人のベテラン女優さんと2人で、
その小さい部屋を使っていました。

といっても、個室というより、
奥のコーナーといった感じ。

そして公演がスタートしました。


そのあたりからです。

「・・・ここ・・・、いるね」

といった話題がチラホラと、
一部の人間から出始めました。


「やめてよぉ〜、そういうの極端に弱いんだから!」

なーんて言いつつ、
軽くいなして、聞かぬふりをしていたのですが・・・。



たしかその日は、昼夜の2公演があった日で、
その間に、コンビニにお弁当を買いに行ったんです。

私たちが、公演中、一番通う所はどこか、
っていうと、
まず間違いなくコンビニなんですね。

お弁当やらお茶やらお菓子やら。

ちょっと外の空気に触れるためにも適当な距離だから、
みんな、せっせと通います。

中には、主催サイドから、
お弁当などが出る公演もありますが、

基本、自分の食べ物は自分で用意します。
(小劇場はお金ありませんからね)


で、そのときも、
毎度おなじみ、コンビニのおにぎりをぶら下げて、
楽屋に戻ってきました。


だいたい楽屋の席って、
若手ほど入り口の近くなんですね。

このときも、一番若手の男の子が、
ドアのすぐ脇に座っていて、

私を見た途端、

「あれーーー?? 望子さん!!」

と叫んだのです。

「なに?」

「あれ?? 今、どこにいました?」

「この袋見ればわかるでしょ。
 コンビニに行ってきたのよ」

「今・・・帰ってきたんですか?」

「そうよ」

「・・・・・・」

「どうしたの?」
  
  


「ほんのちょっと前に、
 
 望子さんの席に、女の人が座ってたんです」



「・・・・・・(声が出ない)・・・・・・」



楽屋を見渡すと、休憩時間のため、
全員外出中で、いるのは彼と私だけ。

(わ、わたしの、せ、せきが、おすきですか〜あせあせ(飛び散る汗)
 
「あーーん。どうしよ〜〜。
 あの席、やだよぉ〜。こわいよぉ〜」

「大丈夫ですよ。
 もう気が済んで、帰っちゃってますよ」

「ほんと? ホントにそう思う?(半泣き)」

「オレ、なんとなくわかるんです。
 さ、安心して座って下さい。大丈夫です!」


今思えば、ここで大騒ぎをされると面倒だ、
と思ったのかもしれません。
とりあえず、なだめとけ、って。

でも、私は実に素直に信じましたよ。
もちろん!

だって、その席に座らなければ、メイクもできないんですから。


でも、それ以降、絶対に1人にならないよう、
誰彼ともなく、くっつきまくっていたのは、
言うまでもありません。


そして、その方も、ありがたいことに、
それ以降、お出ましにはなりませんでした。
(私がニブいだけだったのかも、ですが)


でも、その公演自体は、とっても評判がよく、
ずっと満員御礼で盛り上がりました。

きっと気に入ってくださったのでしょう。 




松井須磨子のお弟子さんの、明石澄子様、

あなたのお作りになった劇場は、

たっくさんの後輩たちに愛されて、

これからも、
たっくさんの後輩たちの思い出の中に残っていきます。

どうぞご安心くださいませ。
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