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2018年10月25日19:49

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茜屋時間 時雨月その284回

 帰宅すると 東の空にお前が迎えてくれた ありがとう お前は今夜とても美しいよ 寒々とした外気に触れてもなお 光り輝くお前にしばし時を忘れて立ち尽くす 深々とした闇の中に浮かぶお前はひとりぼっちだね でもいつもお前を見つめているよ

 今宵の音楽は バッハ:マタイ受難曲
 エリーザベト・グリュンマー(S)
 マルガ・ヘフゲン(A)
 アントン・デルモータ(T)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
 オットー・エーデルマン(Br)
 ウィーン・ジングアカデミー
 録音:1954年4月15日 1944年から1954年までのウィーンでの録音18枚組16枚目

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー (指揮)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 茜屋には先客あり いつものカウンターに一人 奥にいるようだがよくわからず 入り口の席に着座 埼玉新聞をとってきて読み始める サッカーで浦和が4強に入ったのが大きな紙面 さすが埼玉新聞 実は今宵この新聞を読むまで知らなかった 新聞のスポーツ欄は滅多に開かないので こんなことは暫しある やがて出てきた漆黒でアロマよろしき珈琲 猫舌の私はしばし新聞に目を落としていろんな話題を読む やがて来たる至福のとき ビターなチョコと口の中での融解はなんとも云へん 身体中にコーヒーの香りが漂う感じはいつものことだ それにしても濃い珈琲である

 庭や畑のあちこちに菊の姿を見ることができる 食用菊は黄色で今夜は酢の物にした 素堂の句に

    名も知らぬ小草花咲く野菊かな  

 といふのがある 今も盛りの秋明菊はわけても私の好みに逢ふ 白菊だけになったかと思ふていたら ピンクのような紫のような花も一輪咲いていた 色違いの秋明菊 この冬は大切にしよう 野菊といえばあれか 虚子の「初恋」に

    おもかげのかりに野菊と名づけんか  

 と詠んでいる ひっそりと控えめに しかも美しく咲いているのがよくわかる一句である
 そして毎年読み返す「野菊の墓」 たまに見たくなる 木下恵介の脚色の古い白黒映画 「野菊の如き君なりき」 映画では一番好きな映画母もしれない 後は「未完成」といふ昔の映画かな

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