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2018年10月05日05:53

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希望の骨 (0135 トヨタ・トヨペットSA)

サスペンション型式のひとつに「ウィッシュボーン」というのがあります。アレ、素晴らしい構造ですけど変な名前ですよね(「希望の骨」とでも訳すのでしょうか?)。どうしてそんな名前なのかご存知ですか?

鳥の鎖骨は中央で繋がっていてV字型をしています。このVを2人で引っ張り合う、という遊びが昔からありました。千切れた(外れた)時に軟骨が付いていて大きい方が勝ち、願いがかなうと言われています。だから「ウィッシュボーン」なんですね。
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で、あの素晴らしいサスペンションの形がその鳥の鎖骨に似ているのでそう呼ぶんです。鎖骨が上下2組あるモノが「ダブル・ウィッシュボーン」というワケです。
1930年頃からありますが、誰が発明したのか寡聞にして知りません。日本では1947年のトヨタSA型(トヨペットの愛称が初めて使われたクルマです)のフロントに採用されたのが最初です(リヤはスイングアクスル)。
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石川県小松市の日本自動車博物館でSA型の実物を見たときはチョッと感動しました。
1945年8月末(終戦後わずか2週間)から隈部一雄氏の精力的な開発が進められ、1947年1月に試作車が完成(物資のない時代背景を考慮するとスゴいことです)したクルマですが、乗用車のエンジン開発技術が乏しく終戦直後の物資難の時代に設計から部品製造まで全て日本で行われた最初のクルマだったからです。トヨタ渾身の意欲作!

しかし、水冷直列4気筒サイドバルブの995ccエンジンは27馬力(公称)でしたが使い物にならない上に、各部の品質の悪さはあまりに酷くて生き残ることはできませんでした。1947〜52年に213台生産されたうち現存するのは2台(もう1台はトヨタ博物館にあります)だけです。

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