「森田たま」さんの作品に「砧」と言う随筆集があり、「きぬた」と言う一節があります。
古来、和歌や俳句に多く詠み込まれていた。キヌタを打つ音が静かな秋の夜空に響くのは、人々の感傷を誘ったものだろうか。岡本綺堂の「修善寺物語」には、桂.楓の姉妹がキヌタを打ちながら話し合っている秋の情景が描かれているようです。
現在、秋の夜長に隣の家から「キヌタ」を打つ詩情豊かな音は聞こえてこないでしょう。
ひょっとすると、昔のままのやり方で、織って染めあげた布を台に乗せて、横槌でコツコツとたたいて
柔らかくする手間のかかることをしているのかもしれません。
百人一首(藤原雅経)
み吉野の山の秋風さ夜ふけて故郷寒く衣うつなり
森の人
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