秋の高原の代表的な花で、淡い赤紫を帯びた青色が高原の澄んだ空によく似合う花です。
マツムシソウの名の由来は松虫が鳴く頃から咲くことから付いたらしい。この紫色の花は何か涼しげで秋を感じさせます。
各都道府県で減少傾向にありレッドノートに指定され危惧されています。
ここ白樺高原でも以前に比べ激減して、群生していても一本の茎に一つしか花を付けないのであまり目立たない。
登山家でもあり哲学者である串田孫一氏の随想「岩上の想い」より;
「.....林はかさこその秋で、新しい枯れ葉がいっぱいだった。そうして明るい林だった。その林を抜けて草原に出ると、そこは一面のまつむし草だったが、それはもう殆んど枯れかけの姿で、咲き残っているのは、ぽつんぽつんと数えるほどだ。
けれども、かれかけてなお立っているこの草の頭には、綿に包まれた種がついていた....こうして僅かの種を持ちかえって、ただ試みにまいてみること、そのことだけが私の想い出になればいいと思った。」
花言葉では「不幸な恋」とか「恵まれぬ恋」などとあまり良い言葉を付けてもらっていない。
これは日本では「紫」は高貴な感じのする意味合いがあるが、発祥の地ヨーロッパでは「悲しみ」を
意味するのでだろう。やはり文化の違いからくるので仕方がないのでは。
俳句で「松虫草」が歌われている
摘まずおく松虫草は野の花よ 「稲畑汀子」
「稲畑汀子」の文学碑が女神湖畔に建っています。
森の人
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