今日、京橋テアトル試写室にて開催された、11月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町にて公開予定の、「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」の、マスコミ向け試写会へ行った。
同作品は、題名通り、すでに何度も映画化されている、トルストイの名作「アンナ・カレーニナ」をもとにした作品で、ロシアのカレン・シャフナザーロフ監督作品。アンナの自殺後、長い年月を経て、かつて、アンナの愛人であったアレクセイ・ヴロンスキー伯爵と、アンナの息子であるセルゲイ・カレーニンとが、日露戦争の激戦地で再会し、セルゲイの求めに応じ、ヴロンスキーがアンナとの出会いや、その後、彼女が自殺するまでのいきさつを語るという、独自の設定で、物語が進行する。
回想部分に関しては、ほぼ原作通りの展開で、夫と息子のいるアンナと、ヴロンスキーが出会い、恋に落ち、彼女は夫と息子を捨てて、ヴロンスキーと一緒に暮らすようになるが、そんな彼女に、社交界の風当たりはきつく、次第に孤立し、また、愛する息子と会うことも、夫に禁じられ、いらだちを募らせていく。やがて、ヴロンスキーとの間にも亀裂が生じ、誤解や不運も重なって、彼に捨てられたと思い込み、鉄道自殺を遂げるという、悲劇的な結末に至る。ロシア帝政時代の古い物語であるが、女性の自立と社会の不寛容というテーマは、もちろん、今日的なテーマでもあるだろう。
かつて、アンナは、グレタ・ガルボやヴィヴィアン・リー、タチアナ・サモイロワ、ソフィー・マルソー、キーラ・ナイトレイ等々、そうそうたる名女優によって演じられてきたが、本作のアンナにはエリザヴェータ・ボヤルスカヤ、そして、ヴロンスキーには、マクシム・マトヴェーエフという、共にロシア人俳優が演じている。
アンナ死後の、ボロンスキーのむなしい人生と、その最後にも言及した物語で、東洋的な無常観も漂う作品に、仕上がっている。
ログインしてコメントを確認・投稿する