大森から六郷土手へ歩く

　昨日のことなのですけれど、平日にも大森へ行ってみたいと思いたち、そうなると途中で気になる横道も散策したくなったので、自転車ではなく京急線で大森へ赴き、いつものようにニンニクまみれのラーメンをいただいてから、だらだらと歩いて帰途につきました。

　京急の大森駅から下りへ一駅は梅屋敷駅でして、産業道路から梅屋敷東口商店街への入り口があります。



　けっこう気になりながら通りすぎていたこちらへ曲がってみますと、まあ、たしかに商店街があるのですけど、民家と混在していて商店の集積度はそれほど高くありません。なんだか糀谷駅前商店街の北側っぽいなというか（って、わかりませんよねえ）。しかも、お盆なので、ほとんどのお店が休んでいて、商店街らしさはほとんどありませんでした。
　手持ち無沙汰にぶらついていったのですけど、駅の近くにあった焼き串屋さんが一人で気を吐いていました。

●竹沢商店
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131503/13113791/dtlphotolst/4/smp2/

　シンプルだけど、「牛豚肉臓器卸」のフレーズが効果抜群ですな。キャッチコピーとしてこれ以上ないほどに秀逸だと思います。お店も老舗ながらよく手入れされ、『七人の侍』の宮口精二を彷彿とさせる信頼感を醸し出していて、そりゃ、行列も納得の佇まいでした。





　でも、東口商店街って京浜1号を渡らないといけないので、駅からするとあまり勝手のいいところではなくて、メインは反対側、ぷらもーる梅屋敷商店街みたいでした。

　こちらはお店も開いているし、人通りも多くて、よそではとっくの昔にスーパーに駆逐された八百屋とか果物屋といったお店で、お客さんがふつうに買い物をしていました。なんだか昭和にタイムスリップしたみたいでした。
　そういえば、たしかイオングループの「まいばすけっと」はあったけど、他にありがちなチェーンのスーパーは見かけませんでした。うむ、なるほど。



　カレー屋さん。ロード・ブッダってことは、出家前のお釈迦さんですかね。そっちをフューチャーするんかいと感心しました。

　あたりを一通り歩いたので、また、川崎をさして歩きます。本当は梅屋敷といういわくありげな名前の由来も知りたかったのですけど、そちらはヒントも見当たりませんでした。



　と思っていたら、その名も梅屋敷があるじゃないですか。今はすごく小さな公園ですけど、かつては名前の通り、梅のたくさん植えられていた屋敷だったのだと思います。
　ただ、梅がたくさんあった屋敷かよ、そんなんいくらでもありそうじゃんと思うむきもあるでしょうが、なんと明治天皇が9回も行幸して、しかも、そのうち1回は梅の苗木を手植えしたというのですから、小さいながら、なかなか疎かにできない由緒あるところなのでした。



　もう時期が外れてしまったのでわかりませんでしたが、今でも梅がたくさんあるのでしょうか。来年の大倉山観梅会のころにでも、また来てみましょうか、まだ日本があったら（←縁起でもないこというな）。

　でも、この梅屋敷って、京急の梅屋敷駅と京急蒲田駅の間にあるのですけど、京急蒲田駅の方にずっと近くて、梅屋敷駅からはそんなでもないんですよね。梅屋敷（最寄り駅は梅屋敷駅ではなくて、京急蒲田駅）、みたいな。だから、梅屋敷駅って、あんまり梅屋敷駅じゃなんですな。知らない人が梅屋敷に行こうと思って、梅屋敷駅で降りたら、実は罠でした、みたいな。まあ、そんなに変わりませんけどね。



　でもって、さらに歩いて京急蒲田駅をすぎて少し行ったところに、なぜかトランプタワーがありました。住みたいですかねえ、ここ。なんか恥ずかしい気がしますけど。でも、ネタになるからいいのか。

　さて、以前に雑色や糀谷といった京急沿線の商店街をだらだら歩いた折、ここはいいかとばかりにスルーした六郷土手ですが、なんか他を埋めたせいでここの空きがどうにも気になってしまっていたので、この日はこちらも散策ターゲットだったのです。
　ところが、よりによって大田区六郷土手の多摩川花火大会とかちあってしまいまして、いつもはしょっぱい駅のくせに、この日に限ってモブキャラみたいな見物客が押し寄せてきていて、それどころじゃないんですよ。まさか一番来ちゃいけない日に来てしまうとは。
　こりゃ、あかんと思って早々に退散しました。どっちにしろ、駅の近くにはちょっと店が散在しているぐらいで、どうってことはなかったと思います。



　六郷土手駅は京急川崎駅から多摩川の対岸にあって、ホームから見下ろす河川敷の風景はなかなかに涼やかなのですけれども、この日に限っては「ここから花火を見るな」なんて注意書きがあったりして、もういろいろブチ壊しです。



　六郷土手とはどうもめぐりあわせが悪いというか、しばらくいいですかねえ。