2018年08月05日 15:00開演
会場：兵庫県立芸術文化センターＫＯＢＥＬＣＯ大ホール
出演者(敬称略)
企画・指揮・お話し：茂木大輔
Ｐｆ ：長富 彩
管弦楽：兵庫芸術文化センター管弦楽団
客演コンサートマスター：伊藤文乃
今回の西宮公演のテーマはブラームスの夏。
ブラームス祭２日目は、のだめ世界デビュー公演プログラム、換言すると
ミルヒーのラストコンサートのプログラムを、そのまま生演奏する公演である。
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜1791)作曲
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」Ｋ．527から序曲
「ドン・ジョヴァンニ」は「フィガロの結婚」Ｋ．492、「魔笛」Ｋ．620と並びモーツァルトの三大オペラ
と言われる。私はＫ．492だけ全幕を演奏会形式で観た事があるが本曲は、それとは対照的な
ニ短調の暗い始まり。実はモーツァルトはＫ．527を作曲している時期に父を亡くした。
モーツァルトは生涯600曲を作曲したが短調の作品は30曲しかない。父を亡くした事は大きな事
であったに違いない。この歌劇は奈落が待っている。ドン・ジョヴァンニが、自分が手にかけた者
の亡霊に殺されるから。この始まりは亡霊であり不吉なレとラの音。死を意味する。
『のだめカンタービレ』においてミルヒーはプレーボーイとして描かれている。Ｋ．527は「お手を
どうぞ」のアリアでも知られる。「ミルヒーが、自らを主人公になぞらえた」作品。
本序曲、途中から明るくなる。何故なら、ある意味で勧善懲悪だから。先程Ｋ．492について
触れたが、ウィーンで初演されたが受けたのはプラハ。プラハの人々はモーツァルトに次回作を
要望したのである。そこでＫ．527はプラハで初演された。この序曲は完結せずに第１幕へ入る。
私は、その話をマイミクのベルウッドさんに教わっていたが、それを知らない観客も多かった
みたいである。
マイクを持って茂木さんがお話しされた。
「モーツァルトは乗り越えられる音楽家なのでしょうか。」
否だ、と改めて思った。２番目に好きな作曲家なので多数の作品に触れては来たが、
何せ600曲。それを35年の生涯で書いた。
「フランスのグノーは「乗り越えたいと思ったけれども結局、乗り越えられなかった」と
言いました。」
(つづく)
ログインしてコメントを確認・投稿する