ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)作曲
交響曲第１番ハ短調Ｏｐ．68
ブラームス祭１日目のメインは交響曲第１番。
ブラームスは４曲交響曲を書いたが最も好きな作品。何故かと言えばドイツ３Ｂのもう一人
ベートーヴェンの影響を強く受けていると考えられるから。ドから始まる半音階で始まるが、
これが実に憂鬱。本曲は23年かかって1876年に完成。作品番号は68、つまりブラームスが
作曲家として確立された時期に世に出された曲。青年は43歳になっていた。
本曲はハ短調で書かれているが私は切迫感が、そうさせたと考えている。「ベートーヴェンが
背後で行進している」とブラームスは感じた。何故ならブラームスは詳細にベートーヴェンの
音楽を研究していたから。このハ短調はベートーヴェンの作品にも多く、交響曲第５番「運命」の
影響は多大。「運命の動機」まで現れる。
第２楽章ではコンサートマスターがソロを奏でる。
第３楽章ではクラリネットを冒頭、注目して聴いていた。
終楽章はハ短調に戻って陰鬱な始まり。ピツィカートが出たと思ったらPiu Andanteにテンポが
変わってスコアに♮。つまり転調して同主調のハ長調となる。ホルンで演奏される有名な旋律。
元になった歌曲がスライドで投影されていたが宛らクララ・シューマンへのラブレター。
対するクララも「愛しいヨハネス」という書き出しの書簡を送っているから茂木さんは恋愛感情
あり、と認定したらしい。満を持してAllegro non troppo,ma con brioで明朗な旋律が演奏される。
これが第１主題なのだ、と解説されていた。そうなると序奏が、かなり長い。第１主題は弦楽器
から木管へ渡され第２主題へ、第１主題が再現されて先程のクララの旋律が再現。第２主題も
再現されてコーダへ雪崩れ込む。先程の明朗な第１主題が歓喜の歌なら、こちらは勝利の凱歌
である。最初の交響曲を書き上げた達成感を勝手に感じる。
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