今週の木曜日、つまり二日前の王位戦挑戦者決定リーグで羽生竜王は松尾八段に勝利している。この対局で恐ろしく切れ味の鋭い終盤戦を展開したのが羽生竜王だった。
30手目まで今日の名人戦と完全に同じかどうかは自信がないが、王位戦では勝った先手が羽生竜王。負けた後手が松尾八段。
今日の名人戦では、後手番を持っているのが羽生竜王。
> 正午ごろに佐藤が3分で打った2三歩(31手目)が斬新な一着
この2筋後手陣に打った歩は同金とは取れない、取ると銀が素抜かれて負けてしまう。
羽生竜王は大長考に沈んだ後、馬を引いて飛車との交換を強要する。ただこれで玉の小鬢が開いてしまう、すかさず端角を打ち王手をかけたのが佐藤天彦名人。
ただ、この1六の端角はいわゆる「筋違い角」なのである。
筋違い角は良い手になりにくい、---(中略;昨日の日記参照)---
今日に至っては、「端角」。
羽生竜王だしね、この端角、咎めにくるのでは、と思っていたら、やはり1筋の歩を伸ばしてくる。ほったらかしにすれば、打った角が標的になるだけでなく重荷になる。
後手1五歩に対して先手3四角と逃げるが、後手は3三金として角にぶつけてくる。
封じ手は99%以上 「5六角」と予想されるだろう。他の手はなさそうだよね。
この封じ手に対して、後手側の有効な応手が見つからないのが現状である。
しかし、指しているのが羽生竜王だけに、次の48手目にあっと驚くような手を作ってくる可能性が期待できる、というような点で名人戦はワクワクする。
佐藤天彦名人は名人なのだ。実力一番・ナンバーワン・トップ棋士、まぎれもない実力者である。
だが、羽生竜王が単に竜王だとは誰も思っていないところ。その群を抜いた実力に対抗できる棋士がいるとしたら、藤井聡太七段だと、多くの人が思っているところだろう。藤井七段がタイトル戦へ挑戦するようになれば、トップ棋士たちとの熾烈な戦いが盤上で繰り広げられるようになる。
明日は忙しくてリアルタイムで名人戦を観戦できないのが残念だ。
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http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5118174
佐藤天彦(あまひこ)名人(30)に羽生善治竜王(47)が挑戦し、福岡市のアゴーラ福岡山の上ホテル&スパで19日に始まった第76期名人戦七番勝負第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は午後6時31分、佐藤が47手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各9時間のうち消費時間は佐藤3時間12分、羽生4時間54分。20日午前9時に対局を再開する。
佐藤は3連覇、羽生はタイトル獲得数100期と名人通算10期の大台達成を目指す。第3局まで全て先手が勝ち、羽生が2勝1敗でリードしている。
第1局に続いて横歩取りの戦型となった。正午ごろに佐藤が3分で打った2三歩(31手目)が斬新な一着で、羽生は昼食休憩をはさみ1時間19分の長考で4四馬と引き大駒交換を強要。その後、佐藤が持ち駒の大駒を連打して相手陣をけん制しつつ自陣の整備を進めたのに対し、羽生は自陣をにらむ佐藤の角を攻めて対抗した。佐藤が短時間で決断よく進めたのに対し、羽生は度々考慮に沈み、持ち時間の半分以上を消費した。
解説の横山泰明六段は「1日目で終盤に突入することも予想されましたが穏やかな流れになり、一手一手難しい中盤戦が続いています。佐藤名人の3四の角が働くかどうかが形勢の大きな分かれ目になりそうです」と話した。【丸山進】
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