最近、めっきりステーキとか焼肉を食べなくなった。
年を取ると油ものがつらくなるらしいが、それが原因なのだろうか。
食べ過ぎると胃もたれするし、その許容量もだんだん低くなってきたような気もする。
やっぱり身体能力の低下のせいなのかなぁ。
そんな風に、加齢に伴う体調の変化を原因として話を済ますには、素直に納得できないところがある。
なぜならば、ここ数年、食事を選ぶときの意識に、少し変化が生じてきているからだ。
変化の主なポイントは3つ、コスト、味覚、想像力という点があげられる。
コストというのは、以前、たまに自炊をしていた頃、食材の買い物で肉の値段がとても高いことに気が付いた。
米や麺や野菜だけで食事が作れるのなら、一日の食費がかなり抑えられる。
ただそれでは物足りないから、どうしても肉類を投入するのだが、そうすると合計金額がいっきに跳ね上がる。
大食いの私には、この差のつき方が普通の人に比べてかなり大きかった。
だからこれまで、焼肉を食べに行くにしても、基本はおごりか食べ放題だけだった。
次に味覚の変化も現れた。
とにかく淡路島の魚介類は美味かった。
料理屋さんで出されるメニューはもちろん、回転寿司や、スーパーの総菜までもがレベル高い。
都会では産地直送を強調する居酒屋等があったりするが、よほどの高級店でなければこの壁は超えることはできないと思う。
この生活を経験して以降、肉メインのジャンクフードで十分だった私の舌が贅沢になってしまい、単に肉だけ食ってれば幸せだったあの頃には戻れなくなってしまったのだ。
最後に想像力。
本来、肉類は贅沢品だ。
飼料を与えて手間と暇をかけて育成し、さらに専門的な加工を施して初めて口に入れることができる。
スーパーでは値段が高く設定されているが、基本的に、こんなに世の中に氾濫してないはず。
品種改良とか飼育技術の発展によるものだとは理解するが、それらに対する知識が薄いため、何となくうっすらと心配になる。
あと、食材となる命の問題の想像も強くなった。
あ、漠然とした思いをここまで文章にしてみて整理がついた。
私が肉を食べなくなったのは、体調でもコストでも味覚でもない。
肉は貴重な食材で、大事に食さなければならないものなんだとやっと理解できるようななったのか。
はー、何年かぶりに気まぐれで買ってきたチキンを目の前にトリップしてしまった。
食おう。
【食生活における食材選びに迷ったときは】
〖教義〗身体は基本的に寛容的にできているので好き嫌いや偏った受け入れ方をしなければ大丈夫だと知るべし
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