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2018年01月17日01:35

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認知症というコト

母は亡くなるまでの数年間、アルツハイマー型認知症だった。
記憶があいまいになり始めてすぐに脳神経内科に行き、適切な対処をしたおかげで進行はかなり穏やかだったと思う。

最初に認知を疑うことになったのは、預金通帳などをどこにしまったか思い出せなくなり、再発行をさせるというような事で、続いて財布や家の鍵を見失うようになった。
これらは同じような事柄ではあるが、通帳より財布や鍵の方が日常的に扱うものであるから、それを見失うというのはかなり進行具合に違いがある。
鍵と財布は一緒にして紛失防止用のアラームをつけたが、それまでは随分探した。w
しかしこの件で我々の救いだったのは母にモノ盗られ妄想が無かった事だろう。
認知症の人の妄想というのは、自分の記憶の欠損部分を作話で埋めることによって発生するんだと思う。財布が無くなっても家族を疑わないのはこれまでの人生が影響しているのか或は関係ないのかは分からない。
おかげでワシが預金を管理することにしても、財布に一定の金額が入っていれば通帳のことは忘れてくれるようにもなったし。もちろん当初は大騒ぎはしていたんだが。

やがて、ごく近所にある親戚や知り合いの家へ行くことができなくなった。また転倒により怪我をしたり帰り道を見失った可能性がみえてきたので出入りを監視する必要が出てきた。夜間などに勝手に外出できないようにもした。

さて、この記事にある食事の話だが、これは認知症というコトもあるが、満腹の感覚の欠損が関係してる。
要するに食事をしたかどうかを覚えているかというコトでなく、食事をしても空腹感が無くならないから、食事をしていないという偽りの記憶が生じるわけだ。
母はこの満腹中枢は大丈夫だったらしく、何度も食事をとりたがるというコトは無かった。ただし、夕方になって空腹になってくると、私は朝から何も食べていないとよく言ってた。デイサービスに行っても、食事も出ないと言ってた。帰る時刻には空腹になってるためと思われる。あと風呂場に石鹸が無いと言ってたのは謎。
同様に暑さ寒さの感覚も衰えていて、服や冷暖房も正しくセットできない。
本人は暑くないからエアコンは必要ないので切ってしまうのだ。窓開けるし。
省エネ的にはアレだが、夏の夜は窓を開けたままエアコンをつけといた事がある。

記憶があいまいとなり、自分の置かれた状況がはっきり分からない不安というのは大変な恐怖であろうというのは言動・行動をみていれば分かる。
母は父が生きていた頃は父に頼っていたコトもあり、恐怖に陥った時には人にすがるという反応をするのかもしれない。
自分で何もかもてきぱきとこなす人生を歩んできた人は、自分で問題を解決しようとして恐怖が怒りに転じるのかも。…ここら辺は証拠がないので確かではないが…

やがてテレビを見ていても僅かの間の記憶さえ失われるようになると、話の筋が理解できなくなり、可愛い動物や綺麗な景色をみて喜ぶだけになり…やがてそれも失われる。
もともと割と美食の傾向があって、高価な菓子などを喜んで食べていたが、そのうちジャンクなもので平気になる。

会話は…会話の体裁という面では、かなり後までちゃんと話をすることができていた。
これが逆にやっかいで、直接、あるいは電話で話をしていると認知があるようには感じられない程の会話ができる。
親戚などでもなかなか認知がある事を認めてくれない。w
実際、かなり最後のほうでも会話自体は成立していた。耳が悪くならなかったのも大きい。
会話の意味は通っていなかったのだけれど。

会話がどの程度できているかは、おそらくあんまし認知症の進み具合に関係ない。
かなりひどい状況になってても数分のあいさつ程度では誰にもわからない。
多分、元からどれだけ日常的に話してるかが関係してる。

診察する医師も病状の進み方は直接把握できる指標があるワケではないため多分正確には分からないはず。
家族がしっかり日常の行動を見て医師に報告しないと病状がつかめない。
おそらくは認知症だけでなく、それ以外の病気やケガも出てくるので、それらの対処も含めて考えてケアしなければならなくなる。


認知症の想像と現実が話題 家族が認知症になった時どうすれば?
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=159&from=diary&id=4945330
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