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2017年12月21日10:54

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大後悔への Revenge を、いつか、きっと…

前回の日記での話の延長線上である。
猛烈に重大、且つ悲劇的な Incident …。
米国 Amtrak の特急列車 “CASCADES”(カスケイズ)号が脱線転覆してしまった事故は、とにかく衝撃的だった。
事故の News を切っ掛けに、この特急列車に「乗ってみたい!」と企てていた「あの頃の自分」を思い出してしまった次第である。
前回の日記に記したとおりで、私の米国での懐かしい思い出がまさか、こんな大事故を切っ掛けにしてしまうだぁ〜なんて…。
その切っ掛けが、とにかく残念…。
改めて、この事故でお亡くなりになられた方々のご冥福を祈るとともに、怪我をされた方々の速やかな全治快復を願って止まない私である。
 
この事故に関する事は暗い話題になってしまうので、趣きを変えよう。
やっぱり「鉄道の旅は楽しくないと…」な私である。
で、話は今からおよそ10年前に遡る。
うわっ… !? 
もう「10年前」の話かよ…。
米国にある関連会社へ長期出張していた私だったのだが、何故か翌年はそこへ「転勤!」を命ぜられてしまう羽目に…。
部活動が忙しかった当時の子供達は「やだぁーっ、日本がイイ〜!」と声を揃えてしまったので、泣く泣く私だけ「米国に戻る?」という格好に…。
おい、おいっ… !? 
訳も判らん勢いは凄まじく、気が付いたらば「米国で単身赴任」を強いられてしまった私なのであった。
 
そんな私が米国で生活していた街も、あの “CASCADES” 号が走る沿線地域だった。
で、その “CASCADES” 号に乗って「イチローの試合を観に行こうぜ!」という企てもあったのが、肝心の Ticket を全く得られずで断念…。
結局は車で Seattle, WA(ワシントン州のシアトル)を目指し、Free Way を疾走したもんだ。
そうあの当時、イチロー選手は Seattle Mariners に在籍していた頃だった。
米国の Major League で活躍する日本人、あのイチロー選手を眼の前に応援しようと、我々は Seattle Mariners の本拠地 Seattle, WA への移動に、Amtrak の特急列車 “CASCADES” 号でと企てていたのであった。
 

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私が米国で住んでいたのは Vancouver, WA(ワシントン州のバンクーバー)という街。
Vancouver と言えば、Vancouver, BC(カナダのバンクーバー)と間違えられることが多いのだが、Canada の大都市ではなくて、米国 WA(ワシントン州)の南端にある街なのであった。
赤い Mark がその Vancouver, WA だ。
 

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その南隣りは成田からの直行便も飛ぶ Portland, OR(オレゴン州のポートランド)という地方都市だったお陰で、日本との交通の利便性も良好。
大河の Columbia River(コロンビア川)が州境で、北側が WA(ワシントン州)で南側が OR(オレゴン州)だ。
なんせ Portland, OR がお隣だったので買い物に不自由することもなく、ちょいと郊外へ出れば豊かな自然に恵まれた、大変に住み心地の良い街が Vancouver, WA だった。
赤い Mark は私が住んでいた Apartment のところ。
 

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灰色の経路は Vancouver, WA の「駅」への道のりで、当時の我が家からは車で20分ほどの距離にあった。
隣町 Portland, OR の国際空港へは車で15分も掛からない所だったので、空港まではもう「目と鼻の先」のような感覚だったのも懐かしい。
さて、その Vancouver, WA の「駅」なのだが、鉄道好きもあって列車が発着する様子を見ようと何度か足を運んだのも懐かしい思い出だ。
かなり以前の日記に同じようなことを記したのだが、改めてその駅の様子を振り返ってみようと思う。
 

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その駅と周辺の拡大図。
 

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線が薄細く判りづらいので、軌道を青く記すとこうなる。
Portland, OR から北上した軌道は Columbia River を渡り終えるとすぐに Vancouver, WA の駅である。
軌道はここで…
 さらに西海岸を北上して Seattle, WA や Canada 方面への路線
 東に向きを変えて Columbia River に沿い、中部や東海岸方面への路線 
…とに分かれる。
駅舎はこのふたつの路線の間にポツンと佇む格好だ。
 

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そのポツンと佇むかのような駅舎が、これっ! 
こぢんまりとした、いかにも Local な雰囲気がムンムンの駅舎が可愛らしいではないか。
この駅舎を挟むように、前述のふたつの路線への乗り場があり…
 駅舎の手前(右)側が西海岸の路線
 駅舎の奥手側が中部や東海岸方面への路線 
…の乗り場になっている。
先ずは西海岸路線の乗り場を見てみよう。
 

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やって来る列車は、この駅を通過する(あのバカ長い)貨物列車ばかりだったところへ、漸くこの駅に停車する旅客列車がやって来た。
Portland, OR 発、Seattle, WA 行きの特急列車。
そう、これこそ私が「乗ってみてぇ〜!」だった Amtrak の “CASCADES” 号だ。
Portland, OR から次の停車駅がこの Vancouver, WA なのであった。
 
前回の日記にも記したとおり、米国の長距離路線のほとんどは非電化区間であるため「電車」は走っていない。
その旅客列車のほとんどが、このように客車を Diesel 機関車が牽引する格好だ。
超強力な Diesel 機関車に、Power Car と呼ばれる電源供給車が Set になっていて、これが先頭と後端に連結された P.P.(Push Pull)Style で疾走する。
それにしても、この機関車のデカさはどうよ? 
車高は客車の倍近くもありそうな、猛烈にアホっぽいデカさには圧倒させられてしまう。
 

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乗降の仕方も日本でのそれとは全く異なり、全車両、全ての乗降 Door が開くことは無いから注意が必要だ。
Local な途中停車駅では、乗降可能な Door はたった「ひとつだけ!」だったりする。
車掌さんが Door を開け、黄色い踏み台(?)を用意して待っている。
そう、この Door のみが、この駅で唯一の乗降口になるって〜次第だ。
その客車が10両編成であろうとも、乗降口はここだけ…。
このおおらかさが何とも「大陸的」で「米国的」だ。
 

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やがて「乗車完了!」を確認した車掌さんは、黄色い踏み台を収納して Door を閉じた。
すると間もなく、“CASCADES” 号はゆっくりと動き出す。
 
それにしても、やっぱり機関車が妙にデカいぞ !? 
その機関車と客車との車高の違いはこのとおり…。
その Mismatch を修正するかのような Power Car の Design が何とも涙ぐましいこと…。
 

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Door に “Business” とあるのは Business Class の車両で、日本の JR で例えれば「グリーン車」に相当する。
前回の日記には誤って First Class と記してしまったが、この “CASCADES” 号の「1等車」は Business Class だったわさ。
それにしても、この客車は1両1両の全長が「小田急のロマンスカー」のように短い。
その理由は「小田急のロマンスカー」と同じで、客車と客車との連結を「連結器」ではなく、車輪の台車を共有する格好の「連接式」を採用しているからだ。
 

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最後尾にも、あの超強力な機関車と Power Car の Set が繋がり…
 先頭で Pull 
 後ろから Push 
…の P.P. 方式で疾走する。
 

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あぁ〜。
行ってしまったね。
Seattle, WA へ、当時の所要時間は2.5時間だったと記憶している。
あの Seattle Mariners の本拠地、Safeco Field 球場は「駅のすぐ横」だったのもあって、イチロー選手を応援に Seattle, WA へ行くのだったらば、是非とも “CASCADES” 号で…! 
…と企んではいたものの、人気列車でなかなか Ticket を得られず、断念。
結局は車で Seattle, WA へ疾走したもんだ。
米国での「鉄道の旅」の Chance を逃してしまったのは、今でも後悔している私である。
 
そうそう! 
後悔していると言えば、この Vancouver, WA 駅から東への路線。
この路線を走る長距離列車に乗れなかったのも大変に後悔している。
未だにこの私を大後悔させ続ける、Amtrak ならではの列車も振り返ってみよう。
 

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前述の “CASCADES” 号から数時間後、駅舎を挟んで反対側の乗り場に Amtrak の長距離列車 “Empire Builder”(エムパイア・ビルダー)号がやって来た。
Portland, OR 発、Chicago, IL(イリノイ州のシカゴ)行きという、気が遠くなるような長距離を走る、正に「大陸横断鉄道」な列車がこの “Empire Builder” 号だ。
この Portland, OR 発の編成は短いが、途中の停車駅 Spokane, WA で、Seattle, WA 発の長い編成と連結する。
Spokane, WA で長大な編成になった大陸横断鉄道な “Empire Builder” 号は、あの Rocky 山脈を越えてさらに東へと進み、およそ45時間を掛けて中部の大都市 Chicago, IL に終着する。
始発駅から終着駅までは2泊3日という、長ぁ〜い鉄道の旅だ。
そんな “Empire Builder” 号の Portland, OR 発着路線こそ、全米 Amtrak の中でも1位2位を競う「素晴らしい車窓」を楽しめる列車なんだそうな。
ん〜。
乗ったことはないけれど、その「素晴らしい車窓」というのは私にも想像できる。
この Vancouver, WA からしばらくは、Columbia River に沿う風光明媚な自然の中を走るのだから、そりゃ〜もう「素晴らしい車窓」は約束されたようなもの…。
そして、雄大な Rocky 越え…。
あぁ〜。
乗ってみたかったなぁ〜。
 

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おぉ! 
イイね、イイねぇ〜。
この何とも American なバタ臭い感じの車両が「大陸横断鉄道」の雰囲気ムンムンではないか。
列車は停車し、唯一の乗降口の Door が開いた。
乗車予定のお客さん達も「おい、あっちだぞ !?」ってな感じで、大きな荷物を引きずりながら、その乗降口を目指す。
まぁ〜乗降口がひとつだけはイイんだけれど…。
あの〜。
そこって、踏切なんですけど…? 
警報機がカンカン鳴りっ放しですぜい、旦那ぁ〜。
 

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乗降口の Door の前には(お約束の?)黄色い踏み台が用意された。
車掌さんによる「乗車券を拝見しまぁ〜す」に、乗車予定のお客さん達は一列に並ぶ。
ん〜。
それはイイとしてさ…。
あの〜、さっきから気になって気になって仕方ないんだけれど…。
ここって駅への道路の踏切だっしょ…? 
おい、おい…。
遮断機も下りてますぜい、旦那ぁ〜。
 

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乗車予定のお客さんは全員が乗り込んだ模様。
で、車掌さんは駅員さんとしばらく立ち話…。
ん〜。
立ち話もイイんだけれどさ…。
あのね〜、ここって踏切なんだってば! 
唯一、駅に通じる道路の踏切なんだってばさ !? 
こんなところに列車を停めちゃってイイんすか…? 
ちょっと、ちょっと、そこのあんた達ってば… !? 
 

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漸く、車掌さんは「乗車完了、しゅっぱぁーつ!」にした模様。
まもなく、列車はゆっくりと動き出した。
 

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大きく右に旋回しながら出発した “Empire Builder” 号は、およそ45時間後の Chicago, IL を目指すのであった。
踏切の遮断機は下りたまんまの、警報機はカンカン鳴りっ放し状態…。
駅でこんな停車の仕方をしちゃって、インカ帝国? 
 

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あぁ〜。
行っちゃいましたね〜。
およそ20分間もカンカン鳴りっ放しだった踏切の警報機は、これでやっと静かになったとさ…。
ん〜、日本じゃ絶対に「有り得まへん」な光栄に私の口はあんぐりだったわさ。
この出鱈目なくらいに「おおらか」なのが米国なんだなぁ〜と痛感させられる。
悔しいくらいに「おおらか」だからこそ、日本人には真似のできない「遊び方」を彼等は知っている。
悔しい…。
悔しい程に、米国人は「遊ぶことに関しては天才」だと常々思い知らされるんだよね〜。
大陸に住む人達は、やっぱり距離感が違う。
我々日本人とは、文字どおりで「Scale が違う」んだなぁ〜と…。
年に何回か、2週間くらいの休暇を悪びれることもなく取っちゃうんだから…。
で、優雅な長距離列車の旅も楽しんじゃうだぁ〜なんて…。
あぁ〜。
私も “Empire Builder” 号に乗りたかったぞ! 
なんであの頃、ガツーンっと休暇を取らなかったんだろ…? 
悔やまれる。
あぁ〜、悔やまれる。
全米で1, 2位という屈指の「素晴らしい車窓」を楽しめる、優雅な鉄道の旅…。
私にとって、それはもう「大後悔」の “Empire Builder” 号なのであった。
 
よしっ! 
いつの日か、米国で乗り鉄な旅を楽しもうぞ! 
そう、いつか、きっと…。
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