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2017年12月09日14:36

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【本】西村健著『光陰の刃』講談社刊

皆様、お今日は。西村健先生の『光陰の刃』講談社刊を読了致しました。その感想です。

三井財閥をつくった男・團琢磨、血盟団の指導者・井上日召。日本を動かす企業家と、日本を揺るがすテロリスト。ともに未来を憂え、打開の路を探し求めた光と影。
明治から大正、昭和へ。激動の時代を生きる二つの魂が交錯するとき、この国に新しい風が吹く!!

三井財閥の歴史に興味がある自分にとっては、三井本館前で暗殺されてしまった團琢磨男爵の事は知っているつもりだったのですが、実は知らないことだらけでして、彼を暗殺した菱沼五郎は後に小幡五郎と名を変えて何と第67代茨木県議会議長にまでなっていたとは初めてしりました。オドロキ!!!

それにしても先日読んだ松浦寿輝先生の『名誉と恍惚』では二二六事件の首謀者北一輝が取り上げられていたと思ったら今度は五一五事件での首謀者である井上日召が主人公の一人だったとは驚いたのと、どうも戦前の日蓮宗の場合国家運動と連動して何故だかキナ臭い人が連出するのが不思議であります。

それはそれとして団琢磨と井上日召の生きざまが精緻に描かれていて共に大きな志を持ちながら進んでいった道が違っていたと言うのは確かに書きたくなる素材ですし、それをこれだけの長編に収めた西村健先生の技量も凄いなぁとおもったのでありました。

古美術ファンとして気になるのは、フェノロサに推薦されながら28円と言う高値の為に買えなかったあの屏風がその後誰が買ってどうなったのかが気になるところでありますし、4円50銭で買った「猿の祖仙」こと森祖仙先生の猿の絵の現物を観てみたいものでありました。

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