ある日のこと、村で一番貧乏な男が、泣きそうな顔で寺にやって来ました。
「和尚さんよ、おら、あんまり暮らしが苦しくて、つい隣の畑からイモ
とだいこんを盗んでしまっただ。このつぐないは、どうしたらよかんべ?」
「ふむふむ。それなら一つ、わしが観音様に聞いてやるから、しばらく待っておれ」
和尚さんはそう言うと、観音様の前で
ぶつぶつととなえ始めました。そしてしばらくすると、男に言いました。
「観音様はタイが食べたいと言うておられる。だからタイを、お供えするのじゃ。そうすればお前の罪は、きれいに許して下さるじゃろう」
「なんと
それは無理な話だ
イモ
やだいこんすら盗まねばならねえおらに、タイが買えるわけがねえ〜〜〜」
男がそう言うと、和尚さんは声をひそめて言いました。
「なあに、心配せんでよい。イモ
やだいこんと同じ方法で、タイも手に入れればよいのじゃ。ウッシッシ
」
←←←このような坊主を、くそ坊主といいます。
ちゃんちゃん
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