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2017年11月13日11:02

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「とっくり幽霊」江戸小話

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むかしからお酒とっくり(おちょこ付き)の好きな人は、意地が汚いと言われています。

お酒とっくり(おちょこ付き)があるうちは、

うまい!「もう一本」

うまい!「もう一本だけ」

うまい!「ほんとうに、もう一本だけ」

うまい!「最後に、もう一本」


などと言いながら、ついつい全部飲んでしまうからです。

でもこれが出来るのは、お酒とっくり(おちょこ付き)を買える幸せなウッシッシ手(チョキ)酒飲みで、お金のない酒飲みは、こうはいきません。


さて、ある長屋家家家に、空室・空席・空車涙がま口財布貧乏な侍がいました。

大のつく酒飲みでしたが、その日暮らしがやっとのありさまで、酒とっくり(おちょこ付き)などめったに飲む事が出来ません。

この男があるとき、病顔(マスク)で倒れていました。

男はまくら元に、おかみさんを呼んで、

顔(マスク)「わしがこのまま死んだら、なきがらはどうか備前の国(岡山県)の土にうずめてくれ」と、弱々しい声で頼みました。


女性「はい、それはよろしゅうございますが、あなたは備前の国には縁もゆかりもないでしょうに」おかみさんが、不思議そうに言うと、

顔(マスク)「わしはこれまで、好きな酒とっくり(おちょこ付き)を思うように飲めなかった。せめて死んでからは、ゆっくりと酒とっくり(おちょこ付き)を飲みたい」

顔(マスク)「酒とっくり(おちょこ付き)のとっくりは、備前の土で焼いた物が一番よいとされている。備前の土になってとっくりに焼かれれば、いつでも酒とっくり(おちょこ付き)を入れておいてもらえるからな」と、男は言いました。


しばらくすると男はふらふらあの世に行ってしまい、備前の土に埋められました。

女性「願い通りにしてあげたのだから、どんなに喜んでいる事でしょう。今頃はもう、とっくりに焼かれておいしい目がハートムードお酒とっくり(おちょこ付き)を入れてもらい、幸せにしている事でしょうね」

おかみさんがそう思っていると、ある夜晩おそく、男が幽霊おばけになって現れました。


おばけ「うらめしや〜。水あせあせ(飛び散る汗)たらーっ(汗)をくれ〜〜〜!のどがかわいてたまらんのだあ!」

女性びっくりマーク(アニメ)「あらっ、いったいどうなされました?願い通り備前の土になって、とっくりに焼かれたのではありませんかexclamation & question

おかみさんが聞くと、

おばけ「ああ、お前のおかげで備前の土になることが出来、とっくりにも焼かれた。しかしそれが、とんだあてはずれでな」

おばけ「悲しいもうやだ〜(悲しい顔)あせあせ(飛び散る汗)ことに酒とっくり(おちょこ付き)のとっくりではなく、醤油のとっくりなのだ。毎日醤油びたりだもんで、のどがかわいて、かわいて、たまらずに出てきたのだ。うらめしや〜。水あせあせ(飛び散る汗)たらーっ(汗)をくれ〜〜〜!」


女性「はい、はい、いまあげますよ」

おかみさんがひしゃくに水あせあせ(飛び散る汗)たらーっ(汗)をくんで差し出すと、男はうまそうにうまい!たらーっ(汗)たらーっ(汗)たらーっ(汗)ごくごくと飲んで、すうおばけっと、消えていったそうなるんるん




おちまい酒とっくり(おちょこ付き)







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