劣等感という言葉を、現在使われている意味で最初に使った人である。
アドラーが劣等感を根幹に組み立てたのが、「個人心理学」だ。
人間は、幼い頃に劣等感に見舞われる。それにどう応じていくかが、その後の人生行動を決める。
フロイトの精神療法の基本は、患者の過去をさかのぼって症状の要因を明らかにし、今のトラブルを解消するものだ。
それに対して、アドラーはもっぱら勇気を強調した。
■元気
を出せば必ずうまくいくという前向きの思想を構築した。
「生きづらさの責任を過去の経験や他者に求めず、勇気を持つことだ」これもアドラーの言葉である。
思えば、アドラー的な「成功への道」は、今も世にあふれている。
フロイトやユングほどアドラーが有名でないのは、不人気ではなく、私たちの思考の中に溶け込んでいるからだろう。
『つらい時に力をくれる「心の名医」100の言葉(PHP文庫)』
つづくモンミ
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