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2017年10月25日23:40

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今宵のケクラン

こんばんや。
今宵のケクランです。

交響詩「春の歩み」Op.95
交響詩「燃ゆる茂み」
第1部Op.203
第2部Op.171

シュトゥットガルト放送交響楽団
ハインツ・ホリガー(指揮)

今宵は中期の傑作と晩年の問題作。
【春の歩み】
オルガン入りの大管弦楽曲。ドビュッシーの印象主義をベースにしていますが、これはストラヴィンスキーの「春の祭典」へのオマージュです。ストラヴィンスキーと明らかに違うのは、最後は宗教的な聖謐な音楽であること。しかし終始無調的な不安定さが支配する不思議な音楽です。でもケクラン節と言っていい美しさはしっかり曲の芯になっています。

【燃ゆる茂み】
ケクランの管弦楽作品の特徴の一つには、ドビュッシー的な神秘的な響きの序奏が置かれ、序奏の終わりが全体の始まりであるように構成されていることが挙げられます。
晩年のこの作品もその例にもれずに神秘的な管弦楽のたゆたいで始まります。それが終わると音楽は描写的にめらめらと燃え始めます。
この曲にもオンド=マルトノが登場します。ケクランはこの電子楽器をとてもメロディアスに使っていて、こよなく美しい。第2部前半が特に素晴らしく、ケクランが愛したもう一つの楽器サクソフォンとともに美しいメロディを謳います。
この作品は、後から書かれた部分が「第1部」とされて前に置かれています。ここではオンド・マルトノやオルガンが使われず、管弦楽のみで後のオルガン・オンド=マルトノ・サクソフォンなどの天国的な色彩の第2部の序奏になっています。
同時期の昨日聴いた「ファブリシウス博士」同様のやりたい放題度ですが、第2部の聖謐さは当時の世相を思うと、平和への祈りの音楽に聴こえます。

両曲とも録音中にわずかに客席ノイズが聴こえます。ライヴでこの完成度の演奏をし遂げたシュトゥットガルト放送交響楽団とホリガーの集中力は素晴らしいです。さすがはチェリビダッケやベルティーニに鍛えられた業物オーケストラです♪
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