江戸時代の初めごろ、大師河原の名主に池上太郎右衛門幸広という人がいたのですけど、この人がすごい酒飲みだったそうです。で、この噂を聞きつけた江戸の医者で儒学者で酒飲みの茨木春朔という人が、慶安2年(1649年)にわざわざ川崎まで出張ってきて互いに十数人の仲間を引き連れて飲みあい、その様子が仮名草子『水鳥記』および『水鳥記絵巻』に記録されているそうです。
江戸時代って、みんなけっこう暇だったんですかね。あと、医者で儒学者というとけっこうインテリっぽいですけど、でも、酒飲みという付加情報のせいですべて台無しになる感じも悪くないと思います。
知らなかったのですが、毎年10月の第3日曜には、これを再現した水鳥の祭の催されているとのことで、今日はあいにくの天気でしたが、ちょっとだけ見てきました。
本当は江戸方が東門前駅の近く、川崎方が川崎大師駅前の若宮八幡宮から出発し、互いに商店街を練り歩き、川崎大師平間寺で合流し、そろって若宮八幡宮へ移動してフィナーレという凝った構成になっているのですが、前述の通り、天気はあいにくの雨だったので、全4幕の口上合戦はすべて川崎大師の大山門の下で行われました。ここなら、雨はよけられますよってな。
当時の人たちの扮装をして、おそらくアドリブもまじえつつ互いに口上を述べあう口上合戦がこのお祭りのメインだと思うのですけど、この時点ですでにけっこうお酒は入ってるんですかねえ。その方が盛り上がりそうですけれども。
時期的に和もののハロウィンって感じでしたね。今年で23回目ということですから、ハロウィンが現在のように広まる以前から、こちらはあるわけですけれども。
でもって、こちらは衣装代4000円を払えば、先着順ですけど参加もできてしまうのですなあ。ハロウィンより敷居は低いかもしれません。
さらに、今日から第54回川崎大師菊花展も催されているのですが、人はまったくいません。
というか、菊もあまり咲いていません。
提灯に名前があるのは街の旧い家なんですよね。
いつもは賑わっている露店もこの通りでした。
子どものころだったら、雨が降ったら休みじゃんと思えたかもしれないけど、商売あがったりなんだから、それはそれできついですよねえ。
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