［趣味］失恋バスは謎だらけ

勝手に週刊連載「俺の本棚」第95回。
今回はこれ。
森沢明夫さんの新作『失恋バスは謎だらけ』。


主人公は、小さな旅行会社に勤める添乗員。
「とことん落ちるとこまで落ち込んで、その後に底を蹴って浮上しよう」というコンセプトの「失恋バスツアー」の発案者でもあります。
そしてその彼自身が、ほんの数日前に失恋したばかり。
更にその相手というのが、ツアーに同行するカウンセラーの小雪という、初っ端から愉快な状況。
ツアー客の1人にやたらキャラが濃い〜、それでいてなんか見覚えがある人がいるな〜…と思ったら、過去作『癒し屋キリコの約束』に出て来た入道さんだったりしていきなり噴き出しました。
あ、余談ですがこの『癒し屋キリコの約束』、数年前に昼ドラになりました。

ツアーの行き先も一風変わっていて、ひたすら寂しい、悲しい気持ちになるような、まぁ、穴場というかマニアックな観光地だったり。

参加者も一風変わった人達ばかり。
たった数日行動を共にする中で、それぞれの事情も少しずつ明らかになります。
頭が良過ぎていろいろと悟ってしまい、感情の起伏を求めて参加した人。
裕福な家に生まれたが為に、かえって不自由な人生に嫌気がさした人。

それぞれの抱える事情の中で、それぞれの優しさを最大限に発揮する参加者の姿が、本当に好きです。

中でも大好きな、そして大事な言葉をくれたキャラクターが1人。
サブローさんという人がくれた言葉、考え方は、紙を飛び出して俺の背中を押してくれました。


そうそう。
この作品、注意点が一つ。

油断してたら、突然の飯テロを食らいます。
まさかの人物がひょっこり顔出してるんで。