勝手に週刊連載TL「俺の本棚」第94回。
今回はこれ。
高嶋哲夫さんの『トルーマン・レター』。
裏書きはこんな感じ。
ある事件がきっかけで新聞社を退社した峰先は、外国人同士の暴行事件に巻き込まれ、その現場で一通の手紙を手にする。それは第33代米大統領、トルーマンの私信だった。そこには広島・長崎への原爆投下の決断が書かれていた。一方、沖縄で米兵に襲われた女性の、大国に立ち向う市民運動が続けられていた。この二つの物語が絡み合い、意外な方向へと事件は発展する。
単行本の初版は2001年。
以前から読みたいと思っていた作品。
たまたま中古で安く見つけたから買った、のだけれど。
正直、そこまでハマる内容ではなかったかな。
いや、もちろん面白いんだけどね。
ただ、個人的嗜好とはちょっとズレていたっていう話で。
まず、冒頭がいきなりレイプシーンってのがね。
もちろん、物語の重要なファクターであり、且つ、沖縄の現実でもある、それは充分に理解しているんだけど。
それ以外にも随所に見られるバイオレンスが、正直愉快ではない。
最重要アイテムである「トルーマン・レター」の正体については面白いと思うけど、裏書きにある程には峰先と沖縄のレイプ被害者の女性が絡み合わないのも、正直物足りなさの原因かな。
ほぼ独立したストーリーとして終盤まで進んで、しっかり直接会うのは最終コーナーを回ってからっていう感じで。
この作品の後から、いよいよ災害パニック物の第一人者になる、その転換点として見ると面白いのかも。
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