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2017年08月29日00:40

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"Here I Stand"と野毛界隈

 先週末はボードゲームの集まりで"Here I Stand"か"Virgin Queen"をプレイすることになってまして、確認してみたら、"Here I Stand"のルールの和訳は紙に出してあったのですけど、"Virgin Queen"のルールの和訳はデータでしかありませんでした。
 こりゃまあ、ちゃんとプレイするには打ち出すしかなかんべと思ったのですけど、プリンタのインクも切れかかっていて、買うしかありません。なので、わざわざ川崎駅前まで出てヨドバシカメラで買ってきて、それから、自宅の近所のホームセンターで別の買い物をしていたら、ここでもインクを売ってましたよ、ヒューレットパッカードなんて量販店でしか取り扱わないと思っていたのに。

 とはいえ、これで準備万端と思いきや、今度はプリンタ用紙が足りなくて、それぐらいコンビニにあるだろうと思って日付けが変わってから行ってみると、これが微妙にないんですな。
 後になってから、pdfデータをUSBメモリに入れてコンビニへ持っていくと出力できることを思い出したのですけど、分量が多くて2000円ぐらいになるそうだし、その時はもういいやとばかり、"Here I Stand"のルールも読まずに翌朝の例会に出席してしまいました。

 幸い、プレイ回数の多い"Here I Stand"の方へ入れてもらうことができまして、こちらは初心者も多いほのぼのプレイだったので、ルールマスターの方におんぶにだっこで介護してもらいながら、なんとかプレイすることができました。
 一方の"Virgin Queen"はガチ勢が集まっていたので、そっちだとちょっと肩身が狭かったかも。

 ちなみにざっくり説明させてもらいますと、"Here I Stand"は30年戦争当時のヨーロッパを舞台にした6人プレイのマルチプレイヤーズ・ゲームでして、タイトルはプロテスタント指導者ルターの言葉から採られています。
 "Virgin Queen"はそれに続く大英帝国の勃興期を扱う、これまた6人プレイのマルチプレイヤーズ・ゲームでして、タイトルはずばり、その時代にイギリスを導いたエリザベス一世の異名にちなんでいます。

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 "Here I Stand"では唯一のイスラム国、トルコを担当しまして、キリスト教内部のしょうもない内輪もめを横目に見ながら、ウィーンを攻めなさそうで攻めそうに振る舞いつつ(だいたい攻め切れないのであまりやる気なし)、地中海で海賊をして、でも、これも対処されるとあまり効果がなくなるので、最後はイタリア半島を目指そうとして教皇のプレイヤーにキレられたりしていました。あんなに怒ることないのに。

 ゲームとしてはですね、イギリスが速攻でスコットランドを征服した挙句、すぐに嫡子を誕生させたので、こりゃここをどうやって抑えるかがカギになると思うけどトルコは離れすぎているから、じかに介入はできんよなと思っていたら、シュマルカルデン同盟の発生が遅れて準備をばっちり整えることのできたプロテスタントがポイントでぶっちぎって勝っていました。

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 実を言うと、後でルールの間違いが判明したりして、勝敗についてはアレな部分もあるのですけど、このゲームのすごいところは、けっこうプレイヤーの選択肢は広いのにちゃんとゲームが壊れず、きちんと盛り上がっておもしろいところだと思います。結果としてはそんな感じですけど、十分に楽しむことができました。

 いろんなところで各勢力の利害が絡みあっているので、それぞれの状況の解釈に違いが出て、そこで互いの働きかけが最終的にどこへ落ち着くのか、誰にとっても思いもよらない展開になったりして、そんなところにいつもわくわくさせられます。

 ちなみに、会場は横浜の関内駅からほど近い横浜三塔の一つ、ジャックこと開港記念館でした。国の重要文化財でもあるこの建物で、ゲームもできるというのですから、贅沢といえば贅沢な話ではあります。ついでに、このジャックは和辻哲郎が師と仰いだ岡倉天心の生誕地でもあります。
 えらいところで生まれとるなって話ですけど、もとは福井藩の海外貿易を担当していた商館・石川屋のあったところで、天心はそこの生まれってことらしいです。

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 行政区画としての横浜市はとても広くて、いわゆる一般に横浜としてイメージされるところは、全体からすると針の先ほどしかありませんけど、このジャックからも近い日本大通の界隈はその一つといえるでしょう。

 で、ゲームも終わったので野毛の方でも冷やかそうと思ってJRの西側へ出ると、なにか催しでもやっているのか、歩行者天国にした車道にずらりとテーブルとベンチが並び、そこに座った人たちが飲んだり食べたりしながらバンドの演奏に聴き入っていました。
 通りのお店がそのまま露店を出しているみたいなのですけど、その人たちももう飲んじゃってるみたいで、かなり緩くて混沌とした雰囲気が漂っていました。

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 バンドもよそから呼んできたというより、近所のおっちゃんがそのままやっている感じで、でも、そこらのおっちゃんがそれぐらいできてしまうのも横浜らしいといえましょうか。
 これもまたいかにも横浜なのですけど、日本大通あたりが明治日本の外国人居留地をバックボーンとしているとするなら、こっちの横浜は戦後すぐの米軍基地とつながった闇市をベースにしていて、いずれも欧米文化を積極的に取り込んでいることが特徴ですけど、その経路はまったく別物といえます。

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 つまり、一口に横浜といってもその振れ幅はかなり大きく、最大公約数的にはなんとなく欧米っぽいというだけで、実はほとんどなにも言えてなかったりします。
 当然、横浜自身の対外的なアピールとしては文明開化期の鹿鳴館モダニズムとでもいうべきものを前面に出してきますけど、年代的な近さを考えれば当たり前ながら、実は闇市由来の方が多く、出自は闇市のはずなのに明治っぽさを装ってくるやつとかあったりして油断がなりません。

 日本中じゅういたるところにあったはずの闇市っぽさが、再開発の名のもとになかったことにされているなかにあって、どういうからくりなのか横浜市中区のJRの西側にはその香気が根強く残っています。一方、かつては横濱駅だった桜木町駅の東側にあるみなとみらい地区の、外観は有名だけど実際に足を運んでみるといまだにとってつけた感じの拭えなさとの対比なんかは、とても興味深く思えます。

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 大岡川を渡って野毛に入りました。通りに人影はあまり見えませんが、5時ごろの時点でお店はけっこう混んでいて、いくつかよさそうなお店もあったのですけれど、結局、入れずじまいでした。

 仕方なく京急の日ノ出町駅まで足をのばしました。日ノ出町駅の向かい、道路を渡った先には2軒のホルモン焼き屋さんがあって、片方は以前に訪れたので、その日はもう1軒の方に行ってみました。
 以前の方はいかにも昭和のお店というか、『三丁目の夕日』とか『梅ちゃん先生』の撮影をやっててもおかしくないぐらいでしたけど、こちらは小奇麗なお店で接待なんかにも使えそうな感じでした。客層もけっこう違っていたようです。まあ、これだけ近所に同じジャンルのターゲットもかぶったお店で並んでても不毛ですしね。

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