勝手に週刊連載TL「俺の本棚」、増刊号の第86回。
今年はこれ。
松岡圭祐さんの文庫書き下ろし作品、『八月十五日に吹く風』。
裏書きはこんな感じ。
アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。戦後占領政策転換の決め手となった一九四三年、北の最果てキスカ島での救出劇。日本は人道を貫き五千人の兵員を助けた。戦史に残る大規模撤退作戦を、日米双方の視点で描く感動の物語。
キスカ島の話は、元々他の作品で知識はあったんですが。
この作品は実在の人物を通して極めて具体的に描かれているという点で、この上なく新鮮でした。
日本側の司令官や、彼に重要な助言をした気象士官。
そして、米軍諜報部員として仮名(いや、ほとんどまんま実名だけど)で登場する人物。
彼らが居なければ、GHQの占領政策は間違いなく変わっていたし、それは日本にとってより苛烈な方向だったのは疑う余地がありません。
それを思うと、彼らに足向けて眠れませんよ、冗談抜きで。
ちなみに件の米軍諜報部員、とても有名な日本文学の研究者です。
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