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2017年07月27日21:25

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蒲田から五反田まで歩いてみた

 川崎から都心へ出るにはとにかく品川を経由することになります。東側、上野や有楽町、新橋方面へ向かう場合はいいとしても、西側の渋谷や新宿、池袋へ行くのにも、とりあえずいったん東の品川を通ってから、まわりこむことになります。
 そんなもんだろといえば、そんなもんなのですが、前まで横浜市の東横沿線に住んでいて、まずは渋谷に出ていた身からすると、これがひどく遠回りのような気がしていました。

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 例えば、品川への途中にある蒲田と、品川から渋谷・新宿方面に山手線で2駅の五反田駅の位置関係はこんな感じだと思っていました。歩けば、かなり近いのではないかと。

 そこで、先週末は川崎大師の風鈴市を少し眺めた後、京急線で蒲田まで出てから歩いて五反田を目指してみました。しかし、最初に正解を提示しておくと、本当の蒲田と品川と五反田の関係はこんなぐあいになっています。

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 蒲田から品川はずっと北で、少しだけ東。蒲田から五反田もずっと北で、少しだけ西。蒲田から五反田へ行くのは、品川とほとんど変わりません。
 まあ、あれですね、昔の地図とかけっこうデタラメですけど、私も頭の中の位置関係を実際の地図と照らし合わせて唖然とした経験はけっこうあるので、そんなもんだよねえとはつねづね思っています。

 そもそも、蒲田駅前からのびる商店街をまっすぐ行けば五反田にたどりつくぐらいの見当違いをしていまして、本当にそのまま行くと矢口渡とか武蔵新田とか下丸子とか思いもよらないところへ向かったはずなのですけど、まがりなりにも五反田へ到着できたのは、京浜2号こと国道1号線に出たからです。ここに来れば五反田への標識がありますから、間違えようがありません。
 30分も歩けば五反田と思っていたところ、7kmと言われてしまい、合計で2時間ほど歩くことにはなりましたが、到達すること自体は達成したわけです。私が参謀で蒲田から五反田を攻撃する作戦の立案を担当していたら、インパールとかマーケットガーデンみたいな展開になったかもしれませんが、それはそれです。いえ、その場合はさすがに地図で調べたでしょうが。

 7kmという時点でバスに乗ってもよかったのですが、って乗るべきだったのですけど、なんとなく意地になって歩いてしまいました。そんなに歩くつもりはなかったので、途中の画像とかもありません。

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 なんとなく、戸越銀座ってこんなところにあるんだと思って撮ったのがこれ。
 道中の印象としては、意外に起伏が多かったです。かつては川がいくつか間を遮るように流れていたみたいです。

 そんなこんなでようやく目的地へ足を踏み入れ、なぜ五反田を目指していたのかという、誰も気にしていなかった本稿最大の謎が解き明かされるのですが、この五反田駅のホームから見える風俗店の求人看板がすごくて、こいつを撮っておきたかったのです。
 なんかもう、「楽でおもしろくてたくさん稼げる仕事があるのに、なんでつらいことにずっと耐えてちょっとしかお金をもらえないのを我慢しなくちゃいけないの」とか、そういうノリなんですよ。そりゃまあ、なにがしんどいかは人によるでしょうから、どの仕事がきついとは一概にいえないでしょうけど、そんなミもフタもないことでいいのかよと五反田駅を通るたびに思っていたのでした。

 なんというか、鶴見・川崎・蒲田あたりも決して風儀のいいところではありませんが、五反田ってやっぱり、格が違うなと思わせられる看板でした。よその人からすれば、ネガティブ要素を押しつけ合っているだけにしか聞こえないかもしれませんが。

 しかし、さすがに問題になったのか、撤去されたらしくあれだけ目立っていたのにいくら探しても見つかりません。頭の悪い子どもが真に受けると大変ですから、それ自体はいいことなのでしょうが、せでもがなの苦労をしてまでここに来た意味はまったくなかったのでした。もうなにもかもがすべて無駄になったしまったという、自殺寸前のヒトラーのような気分になったのですけど、なんとか気を取り直して一杯ひっかけて帰ることにしました。

 駅から晩杯屋というお店の看板が見えまして、ここは立ち飲み屋のチェーンなのですけど、川崎にもつい先ごろオープンして一度だけ行ったことがあるので、そこを目指します。しかし、お店自体はなんだか権利関係の交錯してそうな入り組んだ一角にあり、たどりつくのにけっこう手間取ります。あんな求人看板があったぐらいですから、五反田駅前にはいきなり風俗店が並び客引きも店の前に出ていて、面倒くさいなと思ったのですけど、まだ時間が早いせいか、はたまた懐具合を察してか声をかけられることはありませんでした。

 晩杯屋という名前がですね、吸血鬼のVampireっぽくはありますけど、トランシルバニア地方とかはあまり関係ないと思います。晩酌屋にしたかったけど、使えなくてちょっとひねったぐらいでしょうか。
 俗に下地屋ともいう、本飲みの前に少しひっかけるためのお店らしくて、そういったところでは養老乃瀧グループの一軒め居酒屋と競合する存在なんでしょうけれども、立ち飲みだけあって気軽に寄れて回転も速く、それだけ単価も安いといったところでしょうか。

 東海林さだおの受け売りになってしまいますけど、お酒は酔うために飲んでいるのであって、おいしいと思ったことはないので、フェーズごとに分けて飲むというコンセプト自体はよくわかりません。しかも、酩酊状態に達してしまったら、それ以上に飲んでももう気持ちよくはなれないし、酩酊状態を延長することにもならず、悪酔いして次の日がつらいだけなので、後は寝るしかないと思います。

 しかし、五反田の晩杯屋は風俗店街のど真ん中にあって、隣は個人経営の居酒屋さんでしたけど、ここで景気づけをしてくり出すといったような、かつてはそんな位置づけのお店だったのでしょうか。
 でも、店内に入ってみると、安いから来てみたといった感じの若い人が多くて(雑誌にもけっこう取り上げられているようです。取り上げてもらっているのかもしれませんけど)、旦那、これからお楽しみですなウッシッシな感じとかはありませんでした。

 立ち飲み屋って、結局、お店と常連の醸し出す独特の雰囲気が結界みたいになってしまって、振りの客が入るにはちょっと敷居が高くなってしまいがちです。『酒場放浪記』の吉田類とか、ATフィールドを中和してどんどん入りこむ使徒みたいな人もいますけど、なかなかあんなには振る舞えません。

 その点、ここはチェーンだけあってというべきか、あまりしっくりくる表現ではないのですけど他に思いつかないので書いちゃうと、コンビニのお酒の飲めるイートインみたいで、煩わしくなくていいです。
 そもそも若い人はもう居酒屋には行かないというし、こういう接客の距離感がいまどきなのかもしれません。
 酎ハイ2杯と煮込みとにんにく揚げ串、さらにお勧めのカツオの刺身を頼んで、勧めてくるぐらいだから単価けっこうすんのかなと思ったらこれが160円ぐらいで、しめて940円。千円でベロベロ、いわゆるセンベロとはいきませんけど、ベロベロになってしまったら帰るのに難儀するし、そんなに頑張って酔う必要はないんじゃないかと思う自分からすれば、千円あればほどよく酔える感じでまずまず身の丈にあったお店と思いつつ尻尾を巻いて帰宅しましたのことよ。

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