とある地方都市へ旅行に出かけてきた。
宿の予約が直前となってしまったため、バカ高い高級ホテルか激安のカプセルホテルにしか空き部屋が無く、やむなくカプセルホテルの宿を取った。
繁華街のど真ん中にありながらそのカプホは、大浴場に源泉かけ流しの温泉が備わっていることがウリらしい。
カプホなんてどこも同じだけれども、温泉が付いているのは確かに珍しいかもしれない。
ちょっと幸運を拾った気がして、すこしワクワクしながら旅に出かけた。
バスに揺られて3時間、予定通りに目的地までたどり着き、早速カプホへチェックイン。
どれどれ、噂の温泉とはどれほどのものか、旅の疲れを癒すためのバスクリン。
Hey Yo なぜか壁が汚れてる
Hey Yo なぜかタイル曇ってる
浴室をよく見ると全体的に赤茶色のくすみや汚れがチラホラ。
宿泊施設の浴室の清潔感って結構大事だと思うのだが、このカプホの風呂はなぜこんなにあか抜けないんだろうか。
そんな疑問を抱きつつ、4つある浴槽のうち源泉かけ流しのお湯が注がれている温泉風呂に浸かってみた。
「はー、何はともあれ、ゆっくり温泉に入れば気持ちも穏やかなるん・・・。あれ・・・、なんか変だな。これ間違ってないか。これホントに温泉か・・・」
私が入った湯船のお湯が、私の想像を絶するスペシャルステージに達している。
例えるなら、大雨が降った次の日に近所の鉄工所の敷地で出来た水たまりの水を集めて、風呂場に注ぎ込んでいるような、そんな不快感満載のアトラクションと化している。
お湯の見た目がまんま錆(さび)汁。匂いももろ錆汁。
湯船からあふれ出したお湯が白いタオルにかかると、お湯が染みた部分が赤茶色のまだら模様になったよ錆汁。
うおーいーまじかいー。
風呂場全体が赤茶けているのは、いくら清掃をしても、温泉からあふれ出る錆汁があちこちをセピア色のメモリーに変えてしまうからのようだ。
逆にスゲェなこのカプホ。この温泉をウリにしちゃうなんて、好きで入りに来る奴なんているのかな。
つっても、俺、ここで二泊予約しちゃったもんなー。イエーイ。
一応、その錆汁風呂の壁に泉質の説明が書いてあった。
『当温泉は源泉かけ流しのラドン温泉です。
鉄分を多く含む泉質は、婦人病に効能があります。
また、ラジウムが発する微量の放射線は癌の発症を抑制するともいわれています。
※タオルを湯船に入れないでください。タオルが変色してしまいます』
ちなみに、1泊朝食付で三千円也。激安。
旅行二日目から原因不明の体調不良に陥り、現在も薬を飲んでいる。
〜ルシファーちいといつのスメラギカード占い〜
カードへの問い:このカプホこの先も営業続けるのか
これまで:カップの8(リバース)
現在:DEATH
将来:ワンドの9
結果:問題を認識しつつも歩み始め、破滅の道に至ったが、逆転を願ってまだ粘る
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