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2017年05月31日03:32

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粥 - 吉田嘉七  ガダルカナル戦詩集より



粥 - 吉田嘉七


ここにしてこれあり。
これぞこの米の粥。
はるばると数千里、
とよあし原みずほの国のみたからが
ひと年を汗にまみれて、
磨き上げたる真珠、宝石。
わだつ海の逆まく潮をのりきりて
いのちに代えて、海軍さんの
護り来し神のたまもの。
敵機の下をころびつつ、
雨なす弾丸の中這いつ、
汲みたる水を飯盒に入れ
爆撃ごとに火を消して、
去りては又焚きつけ、
つとめて煙出さぬ如く、
ねじり鉢巻きして炊き上げたる
この味は二つなし。
いささか塩っぱいは
海水にとぎしためぞも。
 (わが涙まじりしならじ)

いざ喰らえ、
わが戦友よ。
喰らわで死にしわが戦友よ、
これぞこの米の粥ぞ。




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