無言歌は続く

　五月だと云ふに　暑い暑い　蜂二箱昼ごろ元気に飛行訓練　順調に子育てが進んでいるらしい　何しろ　話しかけても答えてくれるわけぢゃなし　こちで様子を探るしかなひ　蜂屋さんも心配で今日二度ほど来た　明日明後日と出かける用事があると云ふ　何一人でもどうにかなるわい　と云ふわけで10時を過ぎて分封の心配はほぼ無しと見極めて柿畑へ行く　除草と枝下ろし　日差しの強い午前中　なんとかしのいで頑張った　昼にうどんを食う　レンジでお餅を温めようとしたら火を吹いた　こりゃ大変だ　と云ふわけで急遽中止　電気屋さんに電話　親戚だからすぐに来て　さすには新品を持ってくると云ふ　街の電気屋さんは　痛いところに気がついて　決して安くはなひけれど　つきあふだけの価値はある

　今宵いちまいめはCD　相変わらず『ディヌ・リパッティ生誕100年記念BOX』10枚目

　[Disc 10]　　1950年の録音
(1) ショパン:華麗なる大ワルツ変ホ長調Op.18/ワルツ第2番変イ長調Op.34の1/第3番イ短調Op.34の2/第4番ヘ長調Op.34の3/第5番変
イ長調Op.42/第6番変ニ長調Op.64の1「小犬」/第7番嬰ハ短調Op.64の2/第8番変イ長調Op.64の3/第9番変イ長調Op.69の1「別れ」/第
10番ロ短調Op.69の2/第11番変ト長調Op.70の1/第12番ヘ短調Op.70の2/第13番変ニ長調Op.70の3/第14番ホ短調
(2) 同:マズルカ第32番嬰ハ短調Op.50の3
　エレガントで清らか　と云ふ演奏だそうだ　確かに惹きつけられる演奏である

　今宵二枚目はレコードに戻る　伊福部昭　映画音楽大全集5　しかし変わったものを持っている私　CDもあるし　ゴジラは特別だ

　今宵三枚目は昨日聞けなかった埼玉の民族音楽　もう一枚　大畑のやったり踊り

　午後も柿畑へ85％くらいおへる　うまくいけば明日終わるが　暑いので格別急がず　スイカは初なりが11個　受粉が終わっていないのが2.3個　しかし今週全て摘果　母が勿体無い　といみじく云ふが　美味しいスイカはここで摘果　うまくすれば来月下旬には食える　ゴルフボールくらいまで育てて漬物にすると云ふ手もある

　世に「コペルニクス的転回」と称するものがある　従来の常識を覆す新しい進展を示す事だ　ここに使われるコペルニクスが地動説を発表した日である　時は1543年　すでに十数年前にこの学説に到着していながら　当時強大なキリスト教義の天動説を憚って　彼自身の筺底に秘めていたが　余命いくばくもなしと思い定めて発表　当時の知識人も彼の学説を知っていたが　キリスト教の教義は当時常識以上の何物でもなく　地動説が受け止められる要素は全くなかった　かのマルティン・ルターでさえも　コペルニクスが地動説を　「なんと云ふ馬鹿な事だ　天体を逆転させようとしている」と罵ったとあるようだ　しかし普及の名著「天体の回転について」　その第一冊が刷り上がったのは　1543年五月二十三日　死去の前日であったと云ふ　今思えば天動説なんてものは不可解　不可解

　不可解といえば偶然昨日　厳頭の辞を残して身を投げた男があった

　上記の一文で誰のことかわかる人はそこそこの読書家であると思われる　ネットで探せがすぐ出るが　残念ながらそれを知識とは言わんと思う　時には風を捕らえて影を捉えるがも必要だ　一人瞑目するもよし　談論風発もよし　贅言も時には時にはヒントになる