後半の冒頭は幸田姉妹のトークコーナー。２月に、さと子さんはスケート場で足を骨折した。
私は偶然twitterの投稿を見て、知った。オペを要する重傷で現在も髄内釘が入っている。
「そんな私を父が「筋金入りの さと子」って言うのです。」(さと子さん) 一同大爆笑。私はtwitterを
読んでいたので笑わなかったけれども、「大阪人やな。」と思った。
御二人は大阪府豊中市出身である。
スケートリンクの話、実は一緒に浩子さんもいらっしゃったと言う。「姉に、どうしても、と誘われて。
もう一つ、是非行ってらっしゃい、と言われて。」と神戸から２泊３日のクルーズに出た話。
これは実は曲紹介へのイントロであって、ここでさと子さんが退場。
石川啄木(1885〜1912)作詞
越谷達之助(1909〜1982)作曲
初恋
本曲に関わるコメントは演奏者からはなかったが、石川啄木は岩手県現在の盛岡市の出身である。代表作である歌集『一握の砂』に収められた次の短歌から歌詞が採られた。
砂山の砂に腹這ひ
初戀の
いたみを遠くおもひ出づる日
本公演のテーマは＜人が人を想う＞であるから適合している。
越谷(こしたに)達之助とは生没年が３年しか重なっていないので作詞者が亡くなってから
作られた作品なのであろうと推測される。越谷の代表作であると云うから
無知な私は勉強になった。
作詞：林古渓
作曲：成田為三
浜辺の歌
「東日本大震災で海は多大な被害を齎したけれども、海は恵みを齎す存在ですね。」(浩子さん)
教科書にも載っている曲である。ゆえに私のように声楽のコンサートへ、
あまり足を向けた事のない者も巻き込める選曲であるけれども本公演の立ち位置からすれば
重要な曲である。教科書で成田為三のコメントを読んだが世間でよく歌われているのは嬉しい
けれども、もっと速いテンポで、あっさりと演奏すべきだ、と言っていた記憶がある。それを想起
させる演奏であった。
ここで先程の船旅の話。神戸を出航して、すぐに辺りに霧が立ち込め、明石海峡大橋も
霧の中であったそうである。
作詞作曲：菅野祥子
春なのに
浩子さんは自らコメントを付けずカードを取り出し読んだ。菅野さん自身の本曲に対するコメント
であった。それを聞いて分かったが、菅野さんは岩手県陸前高田市出身であった。
陸前高田には嘗て高田松原と呼ばれた松林があった。しかしながら大津波が、この町を襲い
悉く松をなぎ倒した、かに思われたが、たった一本だけ松が残った。これを奇跡の一本松と呼び
保存活動が展開されているが、私が３年前、ＢＲＴで奇跡の一本松バス停を通った時は
見つけられなくて、辺りに土砂運搬用ベルトコンベアが右へ左へ展開していた。
それを思い出しながら聴いていた。
作詞：岩井俊二
作曲：菅野よう子
編曲：藤満健
花は咲く
幸田さと子さんも加わり、ピアニスト藤満さん自身の編曲で「花は咲く」。
本公演出演者は全て東京芸大出身であるが、藤満さんは作曲科出身であり、修士課程修了
時の作品は芸大が買い上げているそうである。本曲を初めて聴いたのは紅白歌合戦で
神戸フィルハーモニックのロビーコンサートでインストルメントの演奏は聴いたけれども、
歌曲の生演奏としては初めてである。
(つづく)
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