河口湖畔の宿

　連休の終わり頃、富士山が見える河口湖畔の温泉宿に旅行した。１泊目は「秀峰閣　湖月」、２泊目は「ラビスタ　富士河口湖」…、今回は珍しく旅行社を通してだった。青く澄みわたった中、まさにこれこそが富士なのだという眺めだった。今までとは天と地ほどの違いがあった。早朝の「逆さ富士」は、肉眼での初体験だった。昼前に訪れた「富士には月見草がよく似合う」で有名な『富岳百景』の舞台となった御坂峠の「天下茶屋」も、執筆した太宰治の胸中を彷彿とさせた。「天下茶屋ほうとう鍋」と「胡椒味噌こんにゃく田楽」の何と美味かったこと！　８０年前、太宰もこれをたべたのだろうか。この辺りはどこもかしこも山桜や牡丹桜が奇麗に咲いていた。「カチカチ山」のロープウェイ・遊覧船・「ゆらりの湯」で知られる「鳴沢」道の駅・氷穴・風穴…、色々と悪くはない。帰路で立ち寄った
下部温泉の寂れたしみじみとした印象、日蓮聖人ゆかりの身延山でのロープウェイ…、みんなそれぞれに意味があった。往路・復路ともに、第二京阪・京滋バイパス・新名神・伊勢湾岸・東名・東富士五と湖…・車で６時間ほどのドライブだった。