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2017年05月05日19:28

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夕暮れのひと時

南は海、北は低い山、東は湾を挟んで小さな岬があり、
西の山は、奥深い山脈に連らなっていく。
春の夕暮れ時、西の山に日が傾く頃が好き。

母屋の南側の芝生に座る。夕陽が落ちると、
白く輝いていた雲の端が、徐々に薄紅色に染まりだす。
秋は空一杯の見事な夕焼けだが、春は空がほんのり薄赤くなる。

小鳥が鳴く。チイチイ、ツピーツピー、ピピピピ…。
カラスもカァカァと空を過ぎり、鳶が上空からピィィー。
こんなに鳥たちがいたの?と思うほど賑やかに囀る。

今夕は鶯がホーホケキョと囀り、耳を澄ませたが、
やがてケキョケキョと谷渡りを鳴いて奥庭の方に姿を消した。
キジバトがデーデーポッポウと、二声三声鳴いた。

この時刻になると、上空の彼方を北東から南西へ、
豆粒ほどの飛行機が2機、翼を光らせて飛ぶ。音が微かに聴こえる。
たぶん旅客機のコースに当たっているのだろう。

ツバメがスィースィーと空を舞う姿。やがて鳥たちの
姿や囀りが消えると、ひらひらと空を飛ぶのは蝙蝠。
月が白く東の空に登り、夕空の赤みがだんだん消えていく。

今日は夕食用にサラダと、鹿肉のシチューを煮てあるので、
この夕暮れのひと時をゆっくり楽しむことが出来た。
居間から母の呼ぶ声が聞こえて、私は家事に戻る。
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