なまじ大型連休でろくに予定もないとなると、どうも馬力がかかりませんよねえ。ふつうの週末なら半日で終わらせる部屋の片づけが、二日かけてまだ終わりません。
それでも先延ばしにしているとどうせ機を逸してしまうので、むりくりにでも出かけようとしたら、あいにく昼から天候が崩れて雨が降ってきました。明日は郵便局が保険のなんとかとやらでやってくるので、出られません。明後日に延期はきついなと思っていたら、2時すぎに回復してきたので、ままよとばかりに出発しました。
完全に回復したわけではなくて、途中でちょくちょく降られましたけど、そんなに濡れずにすんだので、まずまずよござんした。
さて、さして見どころのない産業道路周辺の風景ですが、実はちょっと気になっているところがあって、今日はそこへ寄ってみました。
なんかラブホテルみたいな外観で、いちおう GAME とか AMUSEMENT とかあるのですけど、窓がいっさいなくて中の様子がうかがえません。この近所に住んでいる日系フィリピン人の同僚は、書いてあるとおりにゲームセンターじゃないかと言うのですけど、こんな車でしか来れないところにゲーセンなんかあっても、やっていけないと思うのです。
女子高生がプリクラとか、できないじゃないですか。なんか出入りする年齢層は高めに見えるし、パチンコかなと思っていました。
で、いよいよ入ろうとすると、入り口にこんな注意書きがあります。「同業者ならまずカウンターへあいさつに来いや、写真撮影は禁止やで」と、こうですよ。こりゃ、ますます怪しい。ゲーセンにせよ、パチンコにせよ、だいたい窓が大きくとってあって、なにをやっているか外にアピールするようになっているじゃないですか。あと、どんなマシン・台が入っているか、幟とか立てますよねえ。そういうのも一切なし。なんかもう、非合法の香りすら漂ってきます。やばいです。
で、ですねえ、入ってみたらふつうのゲーセンでしたね。撮影すんなと釘を刺されているので、私は同業じゃないけどチキンなので画像はありません。面目ない。
もっとも、ふつうと言い切るのもちょっと躊躇われるのは、中央に石像で囲まれた変な噴水があって、やっぱり怪しいことは怪しいです。
あと、正面のドアから入ると通路が異様に暗くて、床もおそらくわざとぎしぎし鳴るようになっていて、そこをおそるおそる進んでいくと脇に等身大の恐竜のかなり精巧な模型があって、とても驚かされます。ちょっとしたお化け屋敷というか、ホラーな演出がなされているのです。ゲーセンなのに。
まあ、常連さんたちはそっちを通るのが面倒くさいのか(そりゃそうだ)、横のショートカットですぐ入店しちゃってましたが。
川崎駅の近くに廃墟をモチーフにした大きなゲームセンターがありますけど、この界隈ってゲーセンがそういうコンセプトありきで競ってたりするんでしょうか。ゲーセンなんてゲームができればそれでええやんとか、思ってしまいますけど。
でも、せっかく窓がないのでミサイルを撃ってきたときに籠もればいいかも。
で、調査を完了させて外に出たらまた降ってましたけど、この南武支線をまたぐあたりは首都高速がちょうど歩道の上を通っているので、さほど気にせず歩き続けることができました。
実は今回はさすがにちょっとgoogleマップを見て予習してしまいました。その結果、判明したのはこのスタミナカレーの店、バーグ浅田店が目印となっているということでした。
このお店から三つめの脇道、パッと目にはなんの変哲もなく浅い角度で産業道路と交差している通りこそは、そのまま進むと仲通りにつながる道なのです。
たしかに歩いていくと道幅が広がり、仲通商店街になりました。
しかし、まず最初に遭遇したのはブラジルではなくて沖縄。おきなわ物産センターという、その名の通り沖縄の物産を手広く扱っているお店があり、店頭の自動販売機もラインナップがまぎれもなく沖縄。
ルートビア、ごーやー茶、グゥアバ・ジュース、さんぴん茶など、よくわからないけどとにかく沖縄っぽいアイテムが目白押し。
さらに歩くと、ブラジル・レストラン、パライソなんてお店もございましたよ。
でも、パライソっていうと私なんかは「パライソさ行ぐだ」と言って殉教しちゃった隠れキリシタンとか連想してしまいます。
さらに歩くといよいよ真打登場、ザ・ブラジルなお店です。軽食コーナーがあって、ブラジルの食材も買えるのだと思います。というか、NHKのひるブラでのロケは、この店の前でやっていたと思います。
というか、おいおい2店目でもう真打かよ、二ツ目はどうしたって話なんですけど、見かけたブラジルっぽいお店って、だいたいこんなもんでしたよ。あとはローソンとか、まいばすけっと(県外の人にはなんのこっちゃかもしれませんが、イオンがやっている小規模スーパーで横浜・川崎ではすごく勢いがあります)とか。
浜町のセメント通り、コリア・タウンがちょっと焼肉屋の目につくだけの住宅街なのと同じく、ブラジルといってもそんなにブラジルではありません。そこはまあ、鶴見ですから。
しかも、ここいらは京急鶴見駅東口から続く商店街の末端のあたりでして、ぶっちゃけ地代なんかもそれなりに安くて、だからこそ、沖縄とかブラジルとか遠くから来た人が住んでコミュニティができたんだろうなとは思います。
実際、お店はそんなものでしたけど、歩いている人は南米系と思しき人がけっこういたようです。これにしたって、今はどこへ行ってもそれなりにそちらの人はいますけど、やはり、割合として他よりずっと多いと思いました。
そのあたり、象徴的なのがこのお店で、ラテン料理と沖縄料理が仲良く同居しています。
このお店は前に鶴見を目指した時に歩いた大きな通り(潮風大通りというそうです。いい名前ですな)と仲通商店街が交差するところにあり、あの改装中だったまみーでりかと向かい合っているのですが、仲通商店街自体が潮風大通りの駅側とその奥でけっこう違っています。
ここまで歩いてきた奥側は道幅も広くなって統一された街灯が並ぶなどそれなりに商店街っぽくはありますが、
さらに駅側となるとアーケードがついて歩道にはきれいなブロックが敷きつめられています。そして、このあたりになると昔ながらの商店が軒を連ねて基本的に沖縄とかブラジルのお店はありません。
さらに進むと大きく曲がってほんちょう通り商店街となり、それこそ老舗や、下の画像のようにまいばすけっととオリジン弁当とドラッグストアとモスバーガーが並ぶ、ごくふつうの駅の近くの商店街になります。
あー、でも、ここにももう一つだけブラジル料理のお店がありました。あと、テコンドーの道場もありましたよ。
それから、伊藤金物店がユーテクノとやらになっていましたが、このユーテクノがなんなのかはさっぱりわかりませんでした。
商店街は鶴見川まで続き、ここで8年前に竣工したばかりの名前のわからない橋を渡ります。
すると、いよいよ京急鶴見駅ですが、駅のこちら側にも実は商店街があったのを初めて知りました。ここは電線が地下に埋設されているのか見た目もさらにすっきりと洗練されていますね。なんとなく、元住吉あたりを思い出しました。
駅にたどり着いたので、近くで食事をとって帰宅しました。もちろん、とりこぼしたお店もあるでしょうが、別にコンプリートすることにはさほど興味がわかないので、もう鶴見のブラジルはよろしいかと。
駅からはけっこう歩くし、車で行くにも目印に乏しいし、訪れるにはちょっと難儀なところかもしれません。それだけに穴場っぽい楽しさがあるともいえますが。
個人的には、鶴見駅東側を鶴見川を渡った先あたりまで散策できたので、楽しかったし興味深くもありました。
なお、今回のルートは下の画像の緑のラインです。青のラインは前回のルートとなっています。
●おまけ
ブラジルのお店には日本に来ているブラジル人むけと思しきフリーペーパーがありました。
表紙にはポルトガル語と日本語のフリーペーパーとありますが、日本語の記事は一つだけで、読もうとしてもあまりよくわかりません。でも、全ページカラーで、日本の観光地の紹介記事などもありつつ、ポルトガル語で受けられる自動車の教習所とか、ブラジル人向けの通販とか、求人広告とか、いわゆる広告を眺めるだけでもけっこう楽しめます。
群馬県邑楽郡大泉町に大きなブラジル人のコミュニティがあるそうですが(たしかテレビの『孤独のグルメ』で井之頭五郎も訪れていました)、このフリーペーパーもそこで編集されているようです。
あと、前回に行きそびれた潮田激安センターにも行ってきました。俗にいうバッタものを扱っているのか、メインは食料品ですが品揃えはひどく偏っていました。その他にはフリーマーケットみたいな中古の衣類など。
こういうお店の店主なり店員といえば不愛想なイメージが勝手にあるのですけど、まだ若い店主らしき男性は消費期限切れコーナーのものについて、期限切れですがいいですかと確認した後、妙に人懐っこい笑顔をむけてきて、もったいないですからねと言いました。
それから、探し物顔で店内をまわっていた女の子に声をかけて丁寧にお菓子の説明をしていました。他にお客がいなかったせいでもあるでしょうが。
消費期限切れコーナーのクッキーを確認したら、ちゃんと消費期限切れでした。
消費期限切れコーナーになかった乾燥させた牛のハラミも微妙に消費期限切れ(4月29日)だったのはご愛敬。
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