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2017年03月24日16:51

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残されたゲノム・データから迫る なぜ滅びた?氷河期の盛者マンモス

■残されたゲノム・データから迫る なぜ滅びた?氷河期の盛者マンモス
(THE PAGE - 03月24日 11:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=4492890

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地球上の生命誕生が約40億年前。それから現在まで、幾多の生き物が、絶滅の歴史を歩みました。しかし、なぜ地上から姿を消すことになったのか、多くの場合、原因は解明されていません。今回は氷河期を代表するマンモス絶滅のなぞをテーマに、古生物学者の池尻武仁博士(米国アラバマ自然史博物館客員研究員・アラバマ大地質科学部講師)が、最新研究について報告します。

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マンモスは何故絶滅したのか?
 「娑羅双樹(さらそうじゅ)の花の色、 盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。」
 平家物語の冒頭の一節を前に私が感じるのは、琵琶法師がどのようなメロディーで、この壮大なストーリーを唄ったかではない。(当時としてはかなりヒップホップだったのではないだろうか?) 氷河期時代に盛者のごとく大繁栄を遂げ、そして必衰の理にならうかのように絶滅した「マンモス」の姿だ。

 独特の美しい曲線をえがいた長い牙(タスク)は、現生のアフリカ象やインド象とものとも一線を画す。長い体毛に覆われた種(ケナガマンモス:M. primigenius)や肩の高さが4.5メートルにも及んだ種(コロンビアマンモス:M. columbi)など。氷河期時代に登場した多数の大型哺乳類の中でも、群を抜いて我々の興味をひきつける、生物史上ユニークな存在だ。

 マンモス属(Mammuthus)はトータルで10から14種ほどが知られている。(注:研究者によって種の定義が異なるケースがある。)巨体メンバーで構成された大群は世界各地を文字通り席巻した。アフリカ大陸を皮切りに、比較的寒冷なユーラシア大陸、北米から温暖な気候の南米大陸にまで進出した。そのスケールの大きさは、かつての平家一門、ジンギスカンやアレクサンダー大王の大軍でさえとうてい及ばない。スター・ウォーズのテーマ曲ともに銀河系の彼方(かなた)まで進出しそうな勢いだ。

 しかし全てのマンモスの種が巨体を誇っていたわけではない。いくつか小型種の存在も、特に孤立した島において知られている。例えば北米西海岸のコビトマンモス(M. exilis)やギリシャのクレタ島から見つかったM. creticusの成体は、体高が約1.5mくらいにまでにしか成長しなかった。現生のインド象の赤ちゃんか幼体ほどのサイズにすぎず、成人男性の肩にようやく届くほどの高さだ。

 こうした化石記録をみてみると、解剖学上そして進化上、マンモスはかなりの多様性を遂げていたようだ。さまざまな環境に適応していたとも言えそうだ。

 最古のマンモスが約400万年前頃のアフリカ大陸に現れて以来、最後のマンモスの個体は地質年代において、つい最近―なんとわずか約4000-4500年前―まで生きていた。約6600万年前の中生代終焉の恐竜や、約2.5億年前のペルム紀末大絶滅などの原因が、いまだに複数の仮説とともに、活発な議論の対象となるのは理解できる。しかし生物史・地球史上これだけ最近の時代まで生存していたにもかかわらず、マンモス絶滅の真相は、いまだに謎のベールに包まれている。近縁の種であるインド象、そして遠い親戚にあたるアフリカ象が、現在も生きのびていることを考えると、マンモス絶滅の原因はさらに不思議さ・神秘性を増す。

 ちなみにマンモス絶滅の主な原因の仮説として以下のものがある。

(1)狩猟説:人類による乱獲。石器など高度な狩猟技術の進展も見逃せない。
(2)気候の大変化説:長く続いた氷河期が突然おわり、グローバル規模での温暖化が進んだ。
(3)伝染病説:人類が不運にも持ち込んだサプライズによる、壊滅的な被害の可能性アリ
(4)隕石衝突説:最新の学説による。さまざまな証拠が提出されている。

 それぞれに興味深くどれも信憑性があるが、一方、いくらか反論する余地も残されているのも事実だ。ここではスペースの都合上、詳細はあえて省かせていただく。しかし複数の原因がからみ合って大絶滅を引き起こした可能性も忘れてはならないだろう。

ゲノムデータに基づくマンモス絶滅の仮説
 3月2日付けのPlosONEというオンライン学術雑誌にマンモス絶滅に関する興味深い論文が発表された。(論文のコピーはこちら(http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1006601)でダウンロード可能)

Rogers RL, Slatkin M (2017) Excess of genomic defects in a woolly mammoth on Wrangel island. Plos Genet 13 (3):e1006601. doi:10.1371/journal.pgen.1006601
http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1006601

 カリフォルニア大バークレー校のRogers博士とSlatkin博士は、複数のマンモス個体のゲノム・データを比較した。ゲノムとは生物個体における全ての核酸上の情報の総体をさす。例えばヒトの体細胞は約60億個の塩基対(注:グアニン−シトシン等G−C及びA−T/Uの組み合わせ)をゲノムの中にもっているそうだ。アフリカ象のゲノムは(ペンシルヴァニア州立大のマンモスゲノム研究チームのデータ(http://mammoth.psu.edu/howCloseElephantMammoth.html)によると)42−48億近くの塩基対から構成されており、マンモスにおいて約半分くらいのものがとりあえず判定されているとの報告がなされている。こうした塩基対の組み合わせパターンが、生物にとって遺伝子情報の鍵となる。
http://mammoth.psu.edu/howCloseElephantMammoth.html

 膨大な数の遺伝子を含む完全なゲノム解析を行うのには、かなりの時間がかかる。一つひとつ記録するコンピューターの装置も必然的にかなり大掛かりなものになる。一般の家庭で使われているようなコンピューターではとても間に合わない。

 ゲノムデータは2頭のマンモスの個体からだ。一頭目は、まずマンモス最盛期にあたる45,000年前、ユーラシア大陸本土産の個体標本のものだ。当時は非常にたくさんの個体が生息していたと考えられている。もう一頭は絶滅直前にあたる約4,300年前のもので、北極圏に面したロシア北東部に位置するウランゲリ島(The Wrangel Island)のものだ。この島におけるマンモスの個体数は、その当時約300頭くらいまでに下がっていたと推測される(かなり少ない)。生殖範囲(エリア)と種の個体数の関係は、遺伝子のヴァリエーションを研究する上で、非常に重要とされる。マンモスの個体群(population)の間において、何か特別な遺伝的な欠陥や特別な変化が起こり、直接絶滅へと向かわせた可能性がなかったかどうか、探ってみることができる。

 マンモスは世界各地からたくさんの化石が知られてる。その多くは骨格化石だが、いくつか全身凍りづけの標本が、シベリアなどから発見されている。軟組織に当たる皮膚や筋肉などがなんときれいに保存されているのだ。そのためマンモスはDNAなどのデータを、直接化石種から手に入れることができる、古生物学上、ユニークな存在といえる。ちなみにゲノム解析に用いられるのは、さまざまな要素や諸条件により「体毛」とのこと。

マンモスの過去・現在 ── そして過去へ逆戻り?
 Rogers博士とSlatkin博士の論文によると、2,3遺伝的に重要と考えられる特徴が、絶滅間際のウエンゲル島の個体において確認された。

 まず「嗅覚受容体」という嗅覚をつかさどる神経や細胞をコントロールする遺伝子に特異性が見られた。この嗅覚受容体は鼻の周りの神経細胞において重要な役割をはたすとされる。(ちなみにヒトは800ほどの遺伝子をもっている。)そのためこの遺伝子に異常がおきると、嗅覚をもとにえさ等を探し求める際に支障の起きた可能性がある。そして鼻の嗅覚だけでなく、例えば精子の活動(注:卵子にたどり着くために臭いをたどる)にも、影響を及ぼした可能性があったのかもしれない。

 もう一つの重要と考えられる発見は、「FOXQ1」という遺伝子がこの島のマンモスの体毛に変化を及ぼした可能性だ。具体的にはやや「透明性」をおびたシルクのように「繊細な」や体毛へと変化していったそうだ。分厚い毛皮を備えていたため、氷河期時代に大繁栄をとげたマンモスの仲間。やがて引き起こされた世界規模での温暖化現象のため、北へ北へと寒冷な場所を求め、マンモス達はウランゲリ島などへたどり着いたのだろう。しかし遺伝子の(突然)変異のため、防寒用の体毛を失くしたとしたら、たまったものではない。なんという運命のいたずらか。

 長大な生物史におけるさまざまな大絶滅イベントの原因を探求する際、古生物学者や地質学者は、基本的には「地球上の環境の大変化」にもとづく仮説に的をしぼる。例えば隕石の衝突、火山活動、海岸線の後退、寒冷化および温暖化などだ(白亜紀末の大絶滅の記事(https://thepage.jp/detail/20161124-00000007-wordleaf)を参照)。こうしたパターンは、岩石などからさまざまな分析方法を用いて、直接データを手に入れることができる。
https://thepage.jp/detail/20161124-00000007-wordleaf

 一方、(今回の研究のように)「生物の側」になにか欠損のようなものが出現し、それが元で大絶滅が起こった可能性もあるはずだ。例えば今回のケースのような遺伝子上における欠損・欠陥。マンモスの大きすぎる牙が絶滅へと向かわせた仮説も、長年提唱され続けている。種同士の直接の競争によって滅びたものもいたはずだ(例えば小型の哺乳類は、恐竜の卵を食べ尽くしたのだろか?)。ウイルスなどによる伝染病も特定の種や生物グループに壊滅的なダメージを与えたこともあったはずだ。

 しかし化石研究者にとって、今回の研究者が行ったようなDNAやゲノムデータなど、マンモス以外ほとんど手に入れることなど不可能だ。中生代や古生代の動植物がウィルスに感染していた事実など、今となっては確かめようがない。「生物側」における原因は、現実的に多くの化石研究者にとって「凡上の空論」でしかない。

 マンモスの歴史は生物進化の真理 ── 今までこの地球に登場した生物種の99%以上が絶滅したという事実を改めて思い出させる。「諸行無常の響きあり」「たけき者も遂にはほろびぬ」と壇ノ浦の合戦で敗れた平家一門のように。しかし、最新のマンモスのゲノム研究は、近い将来「クローン・マンモスの誕生」を匂わせているようだ。倫理面での是非はその道の識者の方にゆだねておく。ただ一化石研究及び生物進化研究者として正直に言わせていただくと、「生きたマンモスをこの目で実際に見てみたい」という欲求は抑えることができない。「ベービー・マンモス誕生」のニュースを耳にして、琵琶法師はどのようなメロディーを奏でてくれるのだろうか?
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当時のロックンロールである平家物語を聞いて、マンモスの姿を思い浮かべるとは、なんという研究者おたく。出だしの成功、失敗はともかく、マンモスとかのことばっかり考えているんだろうな、という感じだ。

それはそうと、当時の平家物語と現在の平家物語は同じ速度だとすると、かなり遅いという感じがする。例えば、クラシックなども遅い。それは今のロックの早い曲に慣れてしまったせいかも知れないが、では逆に言えば、なぜ、今の音楽はああも早いのが生まれたかという話になって、少し考えるとエレキギターの登場が関係している?と思ったりする。

youtube には url の後ろに&html5=Trueをつけると再生速度を変えることができる(といま調べた)。ビデオの登場でも、早送りで鑑賞するというのが当たり前になった。

すると、いい音楽だな、と思っていても、平常速度に戻すとちんたら遅くて何がいいのか分からない、という経験がある。早くしなければ、分からない魅力というのが潜んでいるわけだ。

「三分間待っていたんだから、三分間突いてね」と広瀬すずちゃんが言ってる。なんて素敵なCMだ、と思ったら、早送りだからそう聞こえただけったりする。

閑話休題。

マンモスが滅びるという研究というのも面白うだけど、基本的に、ダーウィンの影響下にある僕は、種全体として、次世代が残せなかったと考えるしかない。

すると世代における問題という事になる。絶滅というと一瞬で起きると思っている。人間にとっては100年以内くらいで始まりと終わりがあれば、分かりやすいわけである。

だけど、もしかしたら数千年、数万年のオーダーで絶滅してゆくという事は十分に考えられるし、それだけの期間は、要するに種にとっての執行猶予みたいなものかも知れない。その間に対応できれば新しい種として生き残る、そうでなければ、終わり。というような。

おそらく今の科学技術ではそれだけの長いスパンにおける緩やかな絶滅を解析する技術はまだなかったりするのかな、それとも、そういう視点の研究も進んでいるのかな。知らないけれど。

だが、どういう絶滅である限り、個体数の減少というのが起きなければならなず、個体数の減少は、まず生まれる数の減少、次に成熟するまでの減少、成熟してからの減少という3つについて考えなければならないはずで、どこが効くのか、という話になる。

それはマンモスごとではなくて、人間でも、先進国では、出生率の低下と合わせて、精子数の低下、劣化が指摘されている。さらに、婚姻率も低下しちえる。これらが関係しているのかどうかは知らないが、その原因は複合的かもしれないし、なにか気づいていないひとつの原因が、たくさんの現象となって観測されているかも知れないわけだ。

しかし、素人考えなら、絶滅の原因は氷河期に対応したマンモスが、間氷河期に絶滅するのは、まぁ分かった気になれやすい。氷河期の植生がその終わりで、それが変わったとも考えられる。氷河期には氷を破壊してその下にあった、地衣類などを食べていたと仮定する、例えばね。

氷河期が終われば、それらを食べるほかの動物が進出してくる。当然だが、氷河期だから優勢だった戦略は、環境が変われば劣勢になる。ベッカムは手を使わないサッカーだから優秀な選手だったわけで、ラグビーでも同じとは限らないのと同じだ。

記事中には、地球が暑くなりすぎてほろんだのかもしれないという話もあるが、それなら、小型化した種がいないのも少し不思議だ。一般的に食べられない小さい個体は死ぬとしたもんだが、環境次第では、小さい方が生き残りやすいという圧力があっても不思議はない。

いずれにしろ、大きな動物は環境が安定しているときは強いが、環境の変化には弱いものだ。これが企業にも言えるのであるが、IBMなどあれだけの巨大さでありながら、いまだ滅びていない。ざっくり見れば、恐竜みたいなものだと思うのだが、それは見間違いであって、実はIBMはホヤのパイロサムみたいな群生なのかもしれない。

だが、それなら小型のマンモスは生き残っていもいいじゃないか、という疑問があって、すると大型、小型の区別なく、マンモスという群、全体に対してなんらかの圧力があったんじゃないか、と考える方が妥当という事になる。

するとマンモスという固有の性質、つまり、DNAであれ、ミトコンドリアであれ、そういう所に起因しなくちゃおかしくない、となる。

という話かな?

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