1955年に公開された「旅情」は私が好きな映画の一本です。ヴェネツィア(ヴェニス)を訪れたジェ
ーン(キャサリン・ヘプバーン)の旅先の恋物語で、好奇心いっぱいに旅する姿と、水の都の美し
い風景がいつまでも記憶に残る映画でした。この映画で重要な役割を担ったのが街の中心部に
あるサン・マルコ大聖堂と隣接のサン・マルコ広場で、大聖堂は828年にアレキサンドリアから運
ばれた聖マルコの遺骸を安置する場所として礼拝移動堂を建てたのが起源という荘厳な建物で
す。サン・マルコ広場は、8世紀、この地に侵攻してきたナポレオンが「世界一美しい広場」として
絶賛、現在でも世界中から観光客が集まるのも納得出来ます。映画ではサン・マルコ広場のオ
ープンテラスが出会いと別れの場面を担ってとても印象的でした。
ヴェネツィアは街そのものが世界遺産で、150の運河、400以上の橋、117の島からなる水上都
市で海抜0m。満潮時には街全体が海水で溢れ、このサン・マルコ広場などには海水が溢れる
ため、オープンテラスは片づけられ、足場を作って歩行が出来るように工夫が凝らされていてい
ます。
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