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2017年01月31日20:06

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あっちゃん

地元の映画館が、建物の老朽化の為に、閉館になるのですが、その映画館の特別上映で、『あっちゃん』を上演していたので見て来ました。

本日閉館するのですが、本日は、映画の最後にニューロティカのメンバー全員が出るらしいです。昨日行ったら、ロティカフリークの女性が来ていて「何時に並べば観られますか?」と訊いていた。「何人並ぶか未定なので、ちょっと分からない。」という回答を映画館のスタッフさんはしていました。そうだよね。でも、流石に今日は混んでいると思う。

閉館する映画館で観る、色々ありつつも、30年続いているバンドの物語。やはり感慨深い物がありました。いやおうなしに終わりになる物。ダメになりそうになりながらも継続していく物。

フォト
あっちゃんは、ニューロティカというバンドのヴォーカリストです。私は音楽のジャンル分けにさほど詳しくないのですが、ニューロティカは分類すると、ハードコア系のパンクロックバンドになるらしいです。
あっちゃんは、地元のお菓子屋さんの若旦那でもあります。私の実家から結構近くて、私はあっちゃんのお菓子屋さんの目と鼻の先にあった塾に通っていたので、あっちゃんのお菓子屋さん・・・“ふじや”さんと言うのですが・・・には良く通っていました。夏期講習の時、ふじやさんで、良くアイスを買ってました。
その時も、あっちゃんはいたと思うのですが、その時は、まだ、私にとっては、ニューロティカではなくて、普通のお菓子屋さんの井上篤さんだったと思います。
今も、あっちゃんは、ちゃんとふじやさんで働いています。たまに、商品の陳列をしてたりする姿を見かけます。ちょっと驚きます。「うわぁ〜。ニューロティカのヴォーカリストが、商品陳列してるぅ〜。」ってなるから。あっちゃんにとっては、それも日常なのだろうけれど。当たり前ですが、ピエロのメイクはしていない。

そのニューロティカの歴史、ひいてはあっちゃんの歴史を、新旧メンバー、彼と親交のある人物・・・レーベルのPや、筋肉少女帯の大槻ケンヂ氏、マチャマチャさん、宮藤官九郎氏、氣志團の綾小路翔氏、ロリータ18号、175R、そして、忘れちゃいけない、あっちゃんの母上、等々、色んな人のインタビューから、掘り下げていく・・・という映画です。

まず、ニューロティカというバンド名が、漫画から取られていたというのを知りませんでした。元メンバーの修豚氏と一緒に作ったバンドらしいです。

元メンバーの話が感慨深かった。
オリジナルメンバーのAKIO氏が辞める時、あっちゃんは、SHONも辞めたいんだろうな・・・と感じたので・・とか、そういう下り。

メンバーとあっちゃんとの感覚の相違とかもあったんだな・・というのも映画を観ていてよく分かった。
あっちゃんは「自分がいなくても、ニューロティカはニューロティカで続けて行けば良いって言った。」けれど、メンバーは「あっちゃんがいなかったら、続けて行く意味はないと思う。」と言っていたり。JACKie氏が言ったのかな?
あっちゃんは、「他の人から、『メンバーが変わってもあっちゃんがいたら、ニューロティカだよ』と言われていたり。」
そういう齟齬も、生々しいケド、人間だな・・・って。そりゃ、他者と自分、思いが完全に一緒のワケないし。

最後のステージで、JACKieが、ギターを客席に投げるシーンが出て来て、恰好良かったケド、寂しかったな。もう、ニューロティカじゃなくなっちゃうんだな・・・って。
あっちゃんの歌が下手で、JACKieのギターは限界だったんだろうな・・って言う話。JACKieはあっちゃんはやればもっと出来ると思っていたとか。

SHIZUWO氏の話も心にしみた。大好きだったバンドに入れてそこでギターを弾けて嬉しかった・・っていう話と、一時、あっちゃんが、音程をとるというコトに必死になり過ぎて、歌が転がっていかなくなって、そこでSHIZUWO氏が「僕の好きだった、恰好良いあっちゃんとはズレちゃったな・・って思った。」って言う話と。もう、この辺り、堪らなかった。

歌の下手、上手いって確かにあると思うんですケド、勿論それが大事になる場合もあると思うのですが、そればかりが大事じゃないよなぁ〜・・・って思っています。私は。
例えば、インタビューでも出てくる大槻ケンヂ氏は、歌が上手いか?と言えば、自分でも言うように、上手くはないと思うんですよ。でも、じゃあ、筋少の歌を、大槻氏以外の上手い奴が唄ったら良いかって言ったら、違うもの。
あの激テクの楽器隊に、大槻氏の独特の歌唱法が乗るから筋少は面白いのであって、あれが、大槻氏がデーモン閣下ばりに歌が上手かったら、ただの普通〜に上手いメタルバンドになって、個性死んじゃうよ?と。
ましてや、ロティカはパンクだから、歌の上手さより、スピリットや、歌の転がり方みたいな物なんじゃないの?と思ってしまう。・・・・・・違うのかな?

丁度大槻氏の話が出たので。大槻氏が当時のレーベルの話やバンドのあり方を説明していた。当時は、ラママでやって、ロフト(かな?)でやって、日清パワステ、日本青年館、日比谷公会堂・・といったら、そこから小さなハコには落とせなかったと。それから落ちるとそのバンドは失敗となって、レーベルから切られると。で、レーベル切られて、事務所がダメになって、バンドが終わって行くと。バンド残酷物語。

今は、流石にここまでじゃないとは思うけれど。バンドの発表の仕方もネットがあるから、それを駆使できるけど、昔はネットがそこまで発達してなかったしね。

そこから、バンドをカンパニー(会社)にする方法になった・・と大槻氏が説明していた。ある人は、運転担当、ある人は、経理担当とメンバー内で割り振って、バンドがカンパニーになる。それを始めた先駆けがニューロティカだったらしい。

インタビューでも、あまり動かなかったあっちゃんが、積極的に若いバンドのところへ行って対バン申し込んだりするようになった・・と言っていたな。

自分達でポスター丸めたりして、あっちゃんが「昨日みたいに、人が沢山くると、手伝ってくれるスタッフが結構くるけど、今日は自分達でやらなきゃ。」みたいなコト言って、ポスター丸めてた。

綾小路翔氏が「あんなに自分より一回りも離れた人が、頭下げてくることないよ。」と言っていた。氣志團万博に出られて、それが嬉しくて、綾小路氏にお礼に行ったらしい。ずっと「有難う。翔君有難う〜」と言っていたと。

あと、175Rの話も面白かった。
175Rのイベントに出たら、175Rのファンの女子高生が、ニューロティカのファンになって、ふじやに遊びに来てくれたらしい。女子高生は、修学旅行に来たついでに寄ってくれたらしいのだが。そのJKは、「175Rのライブの時出ていたのを観てファンになりました。今日はあっちゃんはいますか?」と、あっちゃん本人に訊いたそうです。(私、爆笑) あっちゃん「『あっちゃんはいますか?』って俺に訊いたよ。『あっちゃんは、今配達に行ってます。』って答えたケド。」と。(私、再び爆笑)
夢を壊しちゃダメだもんな(^_^;)。まさか、そのJKも、目の前で、エプロン付けて商品陳列してるおじちゃんが、ピエロの恰好してるヴォーカルとは思わなかったろうよ。

でも、そうやって、新しいファンが出来るらしい。

宮藤さんの話も面白かった。現在の若いメンバーが「あっちゃん、そうじゃない!」と言い、あっちゃんが「はい。」って言って、素直に従っていて、宮藤さんは「ええ〜。その人、オリジナルメンバーなのに。」と思ったらしい(笑)。
でも、その辺りがあっちゃんらしくて、愛される所以のような気もする。

マチャマチャさんが「あっちゃんがコントやるって言って、出来てるのかと思ったら、(私に)丸投げなんですよ!どうなんですかね?」と言ってたのも、らしいっちゃらしい。
因みに、コントはちゃんとやってました(映像が流れた)。

そして、忘れちゃいけない、あっちゃんとあっちゃんのお母様の話。
この部分が凄く良かった。お互い文句もあるケド、きちんと愛情のあるのが分かって。お母さんが「あの子は、真面目で優しいから。夜の12時に帰って来ても、『次の日仕入行くから』って言って、朝5時に起きて行くんですよ。」と言っていた。
因みに、問屋は早いので、あっちゃんは朝ごはんを食べないので、1日2食なんだそうです。
あっちゃんは、お母さんの好きなところを「頑張るとこ。」と言っていた。

日常が見える『このネギは嫌いです。』や『とんかつは冷めると美味しくないので、買わなくていいです』とか、そういうメモも何か母との会話みたいで、あ、やっぱり、息子で母親なんだな・・って思いました。
あっちゃんは「母親は、バンドやる時、お菓子屋やりなさいって言った。」と言っていたが、お母さんの方は、そんなコトを言った記憶はないらしく、「あの子は、真面目だから、心配しなかった。」と言っていたのも何か好き。

あっちゃんはどんな人と訊かれ、半笑いになりながらも「尊敬はしてるんですよね。」という大槻氏。「荷物。お荷物じゃないですよ。荷物。持たないといけない。こっちもしんどい時もあるんですよ。でも持たないと。」というマチャさん。「よくしてくれるお兄ちゃん。」と言っていた175RSHOGO氏。

不思議と愛される人ですね。あっちゃん。

思うに、あっちゃんはバンドですっと青春をしてるのかな・・と思いました。

しかし、未だに、あっちゃん客席にダイブするのスゲエなぁ。恰好良いケドさ。重労働だよ。スタッフに、客の波から引き上げられていた。

他にも、ハードコアパンクとして売り出そうとして、とにかく速い曲作ってと指示したというレーベルの人の話や、名盤『絶対絶命のピンチ』の話などもしていた。

インタビューも面白かったし、間に入るライブ映像も恰好良かったです。

そろそろ、地元の映画館が閉館する時間です。あっちゃんは、どんなお別れしたのかな?
フォト
その映画館。外観。


絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!のMV


あっちゃん映画 予告
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