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2017年01月26日21:56

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饗宴 〜メシアン:時の終わりのための四重奏曲

日時 1月21日
会場 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
出演 萩原麻未(Pf)、成田達輝(Vn)、横坂源(Vc)、吉田誠(cl)
曲目 メシアン:主題と変奏(ヴァイオリン、ピアノ)、時の終わりのための四重奏曲   フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op. 120(クラリネット、チェロとピアノ編)

1曲目のメシアンの主題と変奏、成田さんのヴァイオリンが美しい旋律を奏でる。寄り添うように奏でる萩原さんの柔らかく温かで明瞭なピアノが素敵だ。

続いて演奏されたフォーレのピアノ三重奏曲、ヴァイオリンのパートをクラリネットが吹くという珍しい演奏。プログラムによるとこの曲は第2楽章まではクラリネットを念頭に作曲されたらしい。オリジナルのヴァイオリンによる演奏の印象が薄いため違和感なく曲を楽しむ(CDは1枚持っている)。ただ、成田さんのヴァイオリンによるこの曲の演奏も聴きたかった。

同じ曲なのに「世の終わりのための四重奏曲」と訳されることもあるメシアンの「時の終わりのための四重奏曲」は、このメンバーで2回、Vcが堤剛氏で1回(最初に聴いた組み合わせ)、今回で4回目となる。最初に聴いた堤氏を中心とした演奏は緊張感に満ち満ちていて「世の終わりのための」というタイトルがあう演奏だったが、横坂さんに替わってからは「時の終わりのための」のタイトルがある演奏に変わってきているように思える。原題は” Quatuor pour la fin du Temps”とあるので「時の終わりのための」の方が近いみたいだ。プログラムには「終末的な世の終わりではなく、終わらない時¬=恒久平和を祈る曲」と解説してあった。メシアンが独軍の捕虜収容所でかいた曲ということから考えると「このような(戦争のある)時(時代)の終わりのための」と考えた方が良いみたいだ(収容所の捕虜に偶々Vl、Vc、Clの演奏家がいたらしい)。そのように捉えると若い4人の演奏表現はタイトルにとてもよく合った演奏と言えそうだ。メシアンがこの組み合わせの曲をあと2,3曲作っていてくれたらこの4人の演奏が楽しめたのに惜しいことだ。

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