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2016年12月30日16:29

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ドイツの傑作(0044 MERCEDES BENZ S/SS/SSK/SSKL)

メルセデス・ベンツのSクラスと言えば高級車の代名詞ですね。ボクは当然所有したことはないし、乗ったのも2、3回(1990年頃のセダン)ですが、その素晴らしさには感服します。
そんな「ベンツのS」ですが、1930年頃にも超高級車として君臨していました。当時は「Sクラス」とは言わなかったと思いますが。

4種類あったのですが、かなりヤヤコシイのでちょっと整理してみましょう。なお、フェルディナント・ポルシェ博士の設計です。

S:Sportsの略です。1927〜30年に155台作られました。アルミヘッドを持つ6789cc直列6気筒OHCから180馬力絞り出していたようですが、ルーツ式スーパーチャージャーでチューニングされたクルマもあったようです。ホイールベース134インチ(3.4m)もある長大だけどスゴく豪華なクルマでした。栃木に1台ありましたね。どうなったんでしょ?

なお、スーパーチャージャーは吸気を圧縮する(密度を高めて爆発力を強める)送風機ですので、「コンプレッサー(圧縮機)」あるいは「ブロワー(送風機)」と呼ばれることもあります。ターボチャージャーと似ていますが、ターボは排気の力で送風機を駆動する(だからターボラグがあります)のに対し、スーパーチャージャーはエンジン回転の力で駆動します。

SS:Super Sportsの略です。1928〜35年に102台生産されました。1934年に2000ポンドもしたそうです(家が建つほど)。7069cc直列6気筒OHCから200馬力を出していたようですが、Sと同様にスーパーチャージャーでチューンされたモノもありました。
大きなエンジンを載せた「Sの進化版」と思われることが多いのですが、ボディは異なり(ラジエターが高くなりました)、Sの低い姿の方がカッコイイと言われています。
なお、1929年のArds TT(Tourist Trophy=ツーリスト・トロフィー)レースでルドルフ・カラチオラ(Rudolf Caracciola)が優勝しています。

SSK:Super Sports Kurz(short)の略です。ホイールベースが116インチ(2.9m)に短縮されて2シーターになりました。1928〜32年にわずか 37台生産されたのみです。7069cc直列6気筒OHCエンジンは軽く200馬力を出していたそうです。スーパーチャージャー付きだったらどれほど!?
1929年のモナコGPでカラチオラが3位になっています。

SSKL:LはLight(軽量)の意味です。 シャシーに開けられた軽量孔がすさまじい!車重は1350kg。大きなエンジンを積んだ大きなクルマの割にかなり軽いですね。
1931年にSSKをベースに2台作られたのみです。7065cc 直列6気筒OHCエンジンに″ELEPHANT″ブロワー(スーパーチャージャー)を付けて300馬力超と言われています(265馬力と言う記述も)。″ELEPHANT″ブロワーはアクセルをグッと踏み込んだ時に作動し、すさまじいノイズをたてました。このノイズを聞いたドライバーは恐怖におののいたそうです。ボクもビデオで観たことがありますが、もうウルサイのなんの。ま、このブロワーを作動させるのは短時間だったそうですが。さもないと壊れたそうです。
1931年のMille MigliaやドイツGPでカラチオラが優勝しています。カッコイイ!究極の1台かも。
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これら1930年頃の「ベンツのS」はドイツの傑作であることを疑う余地はありません。絶対に手が届かない夢のまた夢、と言うか分不相応ですね。
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