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2016年12月24日12:44

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失火ノ責任ニ関スル法律

これは民法の失火による火災における火元者の賠償責任に関する法律。

「民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス」

で、709条は
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 」

失火による類焼の免責に関する法律だ。
日本は燃えやすい木造家屋が多く、失火により延焼してしまった場合に広範囲に火災が広がり被害が膨大になるコトが多い。そういう時は火を出してしまった人は民法上の賠償責任を免責される。ただし重過失があった場合は違うよ。と

で、失火とは何かというと、「過失で発生した火災」なので、免責除外の重過失とは軽重の差があるだけだ。
例えば、凹面鏡などを放置して収斂火災がおきたとか、整備不良の暖房器具などを使ってたとか、仏壇のロウソクが倒れたとか、子供が火遊びをしたとか、認知症などの人が火を使ったとか、てんぷら鍋を火にかけたまま忘れたとか、花火が燃え移ったとか、危険物のそばでたき火をしたとか、冗談で火をつけたとか…

これらのどこで、軽過失と重過失を分けるかは明文化されてない。過去の判例では鍋を火にかけたまま長時間放置で重過失と言うのがあったが、個々のケースで判断されるコトなので確定的なトコロは不明だ。
今回の話で気になるのは、火が出ているのを見て水をかけて消火しようとしたというトコ。
消火器を用意してなかったとすると、飲食店では消防法違反でかなりアウトだ。
器具の自動消火装置や火災報知機は義務ではないはず…

まあ、もし軽過失と認定されて免責となった場合においても、法律上は賠償責任は問われないが多少の弁償を個人的、自発的に行う場合もある。
そういう場合のために火災保険の特約に類焼損害補償があるんだが、これは限度額があるし、大体数軒分のボヤくらいしか考えてないから今回のケースでは全く不足だと思う。そもそも火元の人が加入してたかどうかも分からないし。

もっとも重過失が認定されて、賠償責任が生じたとしても本人の資産以上の賠償は不可能なのでそんなに状況は変わらないだろう。

なお、民法とは別に刑法の「放火及び失火の罪」という法律があって、失火の場合でも罰せられる。
第116条「失火により、第108条に規定する物又は他人の所有に係る第109条に規定する物を焼損した者は、50万円以下の罰金に処する。」
108条の規定と言うのは、「現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑」および109条は「人がいない…以下同文」
(このごちゃごちゃした部分は要するに、自分の所有している無人の建物などを失火で燃やしちゃっても罪にはならないよと言うコトかな)

今回、火元となった店主に対し温情的なコメントが多いのは、最近は往々にしてある往生際の悪い言い逃れをせず、自分の過失を素直に認めているコトがあると思う。

もしこれがこんなに風の強い日でなく、特別に乾燥していることもない普段の状態であれば、初期消火でせいぜい隣のボヤくらいまでの類焼で収まったと思われる。
無論、そういう状況だからこそ火災により注意をしなければならなかったのではあるが。

なお、それぞれ類焼によって被害を受けた人も、火災保険に入っている人が多いとは思うが、これによって保障される額は再建できるほどの金額には達しないコトが多い。
特に今回被害に遭われた方々は、主に木造建造物で耐火建築で無いため保険料率が高い。故にそんなに大きな補償額を設定してないと思われる。

早々に自治体が募金口座を設定すると言ってたが、再建には寄付が必要になるだろう。

ソースはだいたいwikiです。

糸魚川火災 火元の店主は憔悴
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4356445
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