小さな冬の旅

なにをしに、というでもなく、ただ一人で幕張のビジネスホテルに泊まってきました。
ビジホの一人泊まりは長年の私の趣味です。ちょっとした収入があったので、( 株の配当ですが）さびれた湾岸風景を見にぶらりと。
宿泊先は、幕張のアパホテル。


これでビジネスホテルかっ？
地上50階は国内ホテルとしては最高層。もともと、幕張プリンスだったものをアパグループが買い取って、さらにイーストウィングウエストウイングも増築したんですね。なるほど。
さて、とにかくでっかいこのホテル、ローソンが二店はいってるんですが、なぜか雑誌類を一切おいていません。
これだけの規模なのに、なぜっ？？
暇つぶしにビッグコミックオリジナル買おうと思ってたのにー。
仕方なく部屋に戻り……


43階なので眺めは抜群です。
17.8平米で、なんとお値段は
シングルで6000円台から高いときは30000円を超えます！
同じ部屋で人気の日によってここまで値段の開きが激しいのはアパならではともっぱらの評判。20平米以下で３まんえんってアンタ。
あと、ビジホの老舗ベテランとして胸張ってるアパグループですが、ワーキングデスクの上に鏡つけてるのが大減点。
ポータブル三面鏡みたいのおいてくれれば用はすむのよ。いざお化粧しようとなったらこのデスク越しの鏡じゃ不便なのよ。中途半端なんだよ、置いてる意味がない。
とにかく鏡大嫌いだけどこのデスクでパソコン開く用があったので、新聞広げて鏡を被いました。
あー、私にビジネスホテルの室内設計させてほしい。

バスルームのシャンプー類がボトル据え置きタイプで無駄を出さないようにしてるのはいいと思う。
ほかの設備もかなり得点高いんで、鏡だけが残念。
あと部屋ごとの空調ができるようにつまみがあったのに全然機能していなかったような……

窓から見下ろすとこんな感じ。


右側が海浜公園、海の向こうに見える煙突は
京葉臨海コンビナート(⌒▽⌒)
石油化学工場の煙がいとおしい。ガントリークレーンとかは……ありません、残念。
引き出しを開けたらば、


なんだこれは。
あのお帽子おばさん社長のサクセスストーリーが入っとるぞ。
聖書以外の本をホテルの引き出しで見たのは初めて。
読むものがないのでぱらぱらとめくり……
はっ。これを読ませるために雑誌おいてなかったのかっ？おばちゃんあこぎだなっ！！

……結構面白かったんで読んじゃいました。（負けてんじゃねー）

総客室数2007室のこの巨大ホテルの稼働率は94パーセントですって、奥さん。
実際お客は多かったし、たぶん7割以上が外国からのお客（に見えた）
これと言って周囲に何もない幕張のホテルがこれだけ埋まるのも、近隣アジア国からの観光客が激増して都内のホテルがパンク状態、という現状を見越したからだとすれば
先見の明は確かにすごいですね。

ここは大浴場が入り放題というのもウリなんですが、わたくしは入りませんでした。
だって、あの外人さん率の高さを見たからには……
以前高井戸の有料入浴施設で
そちら系のお客の団体さんとぶつかり、ものすごいマナー（最悪はガーッペッのたぐいです）に恐れをなして早々に逃走したのがトラウマになってるんです。
そして、ビジホには珍しいこの手の風呂をもうけると、当然そこらじゅうが「浴衣にスリッパ」のお客だらけになり、（しかもほとんど外人さん）地方の温泉宿に来たかのような不思議な光景でございました。
日が暮れたので海を見て寂しい気持ちになるべくお散歩に。
ここいらはマリンスタジアムとか国際展示場、幕張メッセとか後はホテルとか、とにかく住居がなくて大型施設がポンポーンとたっているだけなので
イベントがない日はほんとに人間がいない。
そして施設から施設へ歩いて行けるように、長い歩道橋や通路が頭の上を交差してる。


こいつを登ってまっすぐ行くと、海へ出るはず……


……あの森の向こうか。
どうやら照明は全然ないようだ。
これは無謀というもの。怖いので明日行くことにします。
晩御飯は買ってきた幕の内弁当の冷えたの。これが好きでねー。

夜景です。


さすが43階。

翌朝は昨日挫折した海に出ました。
途中、昨日恐れをなした海浜公園を横切ります。


何かをどうにかしたかったがどうにもならなかった廃墟感がすごい。
正面にアパホテル。
さて海だ。



荒涼。

だ〜〜〜〜れもいない。

いいねえこういう景色。すごくいいねえ。
でも頭上のカラスが「食いもの持ってないならお前を襲うぞ」とカーカー威嚇して来るのがとっても怖くて、おまけに冷たい風がびゅんびゅん吹き付けて来るのでとっとと戻りました。

結局……

幕張新都心とやらは、ある意味近代的な建物だらけで美しく整備されていて都会的ではあるけれど、人がいないと綺麗な遺跡群みたいで、そこにたあーくさん泊まりに来てる外国人客がやはりすごく不思議であったのでした。
しかし、久しぶりに読んだコミックがお帽子女社長のドヤ顔漫画とは。
アパおそるべし！
してやられました。なんか悔しいぞ。

おしまい。