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2016年11月11日12:00

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11-06秩父 東仙波の落葉松 黄葉

2016年11月6日(日)

三ノ瀬→ムジナノ巣→将監峠→山ノ神土→西仙波(1983)
→東仙波(2003)→牛王院平→七ツ石尾根


[ゆみゆみ父さんさんと御学友のKさんと共に落葉松の黄葉を見に東仙波へ]

画像は、
師匠(右)と御学友のKさん(左)、
東仙波の落葉松 金葉、
奥秩父主脈西部の山々

(山行アルバムは日記の末尾に貼付してあります)


0、奥秩父へのお誘い

特に奥多摩に精通し、奥秩父、丹沢などを中心に歩かれているマイミクのゆみゆみ父さんさん(以下、師匠とお呼びする)から山へのお誘いをいただき、二つ返事で飛びついた。

師匠は、奥多摩に興味を持ちながらもなかなか足が向かなかった自分に 、 今年2月には残雪の大岳山、6月には初夏の鷹ノ巣山へと一部VRを組み込んで案内して下さった奥多摩の師匠である。

また、師匠が頻繁に御学友と一緒に山歩きをなさっている様子は日頃から日記で拝見していた。

今回いただいたキーワードは「三ノ瀬」を起点に「黒えんじゅ」、「東仙波で落葉松の金葉」。

三ノ瀬が多摩川水源の笠取山や奥秩父主脈縦走路上の山々への起点となるのは知識としては持っていた。
しかし「黒えんじゅ」と「東仙波」はさっぱりわからない。

ただ、三ノ瀬へのバスなど公共交通機関は無く、自分にとっては縁遠い場所と思っていたので 今回のお誘いは願ってもない僥倖だ。

「(距離的には)物足りないコースかもしれません」という言葉も添えられており、また 一般登山道だけを歩く主義の御学友が一緒という事で、登山というよりは三ノ瀬 周辺の山中の紅葉スポットを散策する感じかな、と勝手に思ってしまっていた。

結局、棚の底から昭文社の地図を引っ張り出したのは前日 土曜日の午後。

「東仙波」を探すと、それが標高2003mの山である事がわかった。
丹沢のように「丸」とか「頭」も付いていないのですっかり油断していた。
これは山登りだ。

いつものようにオスプレイの38Lザックを満タンにして、今回も実家からの出発となった。



1、三ノ瀬から将監峠へ

拝島駅から師匠の車に乗り、師匠と御学友(以下、Kさんとお呼びする)の会話に後部座席から時々割り込ませていただく。

Kさんは話し方からして明朗快活でさっぱりした性格とお見受けした。
頑固一徹みたいな気難しい方だったらどうしようと内心不安だったのでホッとする。

車が奥多摩湖にさしかかったところでKさんが「せっかくだから湖一周してあげなよ。」とおっしゃって下さり、師匠と一緒にいろいろと解説してくださった。
奥多摩の辺りの地名や登山コースは地図やアルペンガイドで見ていたが、実地で解説を聞くのはとても有り難かった。


奥多摩を抜けて山梨県 に入り、羊腸する山間の坂道を上っていくと、やがて「一ノ瀬高原」の一角に至る。
高原とは名ばかりの地形に見え、かつては栄えたのかもしれないが今は閑古鳥が鳴いている。
それは三ノ瀬に近付いても同様で、コテージのような建物はたくさんあるが寂れきっているように見えた。

三ノ瀬までのバス路線が無い事に納得せざるを得ない光景が続き、やがてダートの林道に少し入ると標高1270mの登山口に到着。

日頃 歩いている丹沢なら鍋割山(1273)の標高と同じで、そこから歩き始めるというのも不思議な感覚だ。

自分は、並んで歩く師匠とKさんの後ろを行く。

紅葉が進む山肌を眺めながら 人生の大先輩である御二人の後ろを歩けば、単調な林道歩きでも心温まって愉しい。

快晴の青空の下、笹原の中に林立するカラマツの黄葉が眩しい。

丹沢の林道にはカーブミラーや看板などの人工物が多いが、ここの道にはそうした物は少なく、自然の中を気持ちよく歩ける。
(昭文社の地図には「将監小屋まで幅2mの簡素な林道」とある)

朝日谷の水流を跨ぐ時にはKさんが「以前 ここで小さなサンショウウオを見た」とおっしゃった。

牛王院下の分岐では右に入り、やがて「ムジナノ巣」の水場に至る。
水場の流れは少なく、林道のせいかこの名称の由来を感じさせるような雰囲気は失われていた。

紅葉黄葉を楽しみながら徐々に高度を上げていくと、やがて将監小屋に至る。
トイレは山中には似つかわしくない立派なもので、小屋よりもトイレのほうが印象に残った。
テント泊をしてまだ起きたばかりなのか、無愛想な中年女性が水場にいた。

ここからはゲレンデのように広い防火帯を将監峠 目指して登る。
後で振り返ると ここの僅かな登りがこの日 最もキツかった。

現在の将監峠は「奥秩父主脈縦走路」上にあるが、後で調べたところ 昔の実際の位置をめぐっては諸説あるそうだ。



2、山ノ神土から東仙波へ

ここからは少しの間、山ノ神土までは主脈縦走路を歩く。
この日ようやく山道となり、コメツガ、シラビソ、ダケカンバの林相を目にしていよいよ気持ちが高まってくる。

辿り着いた「山ノ神土」(1872)は、地名から受ける印象とは違って何ら特徴も風情もない。
道標の周辺には何も無いが、笹藪の中に山神が祀られていたりするのだろうか。
調べてはいないが何か謂われがあるのだろう。

ここからは縦走路を外れて和名倉山への道に入る。
笹が一気に濃くなり、腰の高さを越える笹藪の中に踏まれたトラバース道を辿る。後で調べるとミヤコザサだそうだが、丹沢には笹は少ないので、さらさらと擦れる感触が新鮮だ。
この辺りで連続して3人の単独男性と擦れ違った。

やがて前方に顕著なピークを持つ「リンノ峰」(1974)を見ながら進む頃には 南東の展望が開け、竜喰山、大常木山、飛龍山と列なる山体が大きく見える。

リンノ峰を西から巻いて樹林帯を進む。
針葉樹やカンバの林を進むがこの辺りでは展望は無く、細い道を辿って奥山に分け入るような感覚が楽しい。

花期にはさぞ綺麗に咲くであろうシャクナゲのトンネルをくぐり抜けると、不意に視界が開けて「西仙波」(1983)に至る。
岩の上には、白い鉄板に青ペンキで「西仙波」と書かれた手書き標識があった。

師匠は「ここはほんの通過点ですから」とおっしゃり、呼吸を整えてすぐに出発となる。

西仙波から先は展望が大きく開ける。

木々の無い露岩帯の上部からは、南東に飛龍山へと列なる山並みが、西には西御殿岩から唐松尾山、その向こうには奥秩父主脈の山々の稜線が見える。
また、南西には遠く富士山のシルエットが霞んでいる。

山頂に近付くにつれ、眼下に展開する広大な笹原の谷から向こうの山肌までせりあがるようにカラマツが林立し、まるで天から金粉が振りまかれたかのような美しい黄金色の波となって秋の陽に柔らかく烟っている。

師匠とKさんによると、例年は全山金葉に染まる景色が見られるというが、自分にとっては十分に贅沢な景観だ。

ここから僅かの登りで、この日の目的地である「東仙波」(2003)に至る。

かつては西仙波を「前仙波」、この東仙波を「奥仙波」と呼んでいたそうだが、仙波という由緒ありげな名の由来も気になるところだ。

山頂では単独男性が昼休憩を取っていた。

これでこの日4人目の登山者に会った事になる。

昼休憩は全員ラーメンで、師匠は豚肉とウィンナーを加えた豪華メニューだった。
食べ終わって話していると山頂北面から動物の足音がする。
覗きこむとシカで、こちらに気付いても悠々と草を食んでいる。

御二人に「シカがいます」と教えると撮影会となり、師匠は「ホウ!」とシカの警戒鳴きに似た声で見事 振り向かせて撮影成功、Kさんは「ケーン!」と鳴き真似のつもりで呼んだが無視され、自分は全然うまく撮れなかった。



3、牛王院平から下山

帰りは山ノ神土まで往路を辿る。
空には雲が出始め、陽射しは時折 翳る。

端正な三角錐の山は後で調べると「リンノ峰」とわかった。南からよりも北から見たほうが綺麗な三角形になっている。

ササ林床のダケカンバやシラビソの間を抜け、山ノ神土(やまのかんど)に戻って牛王院平を歩く。

この辺りも丹沢と同じく武田氏に纏わる伝説が多いようだ。
「将監峠」(しょうげんとうげ)は武田家の金山奉行 芦沢将監の名に由来するというし、牛王院平(ごおういんだいら)は武田が金の採掘をしたという伝説があり、実際に採掘跡らしい坑が散在しているという。

この広大な平坦地は古地図によると荒れ地かカヤトだったようだが昭和40年頃にカラマツが植林され、現在は丈高いカラマツ林を形成している。
元々 平坦地や緩斜面だったところを人工的に整地して植林したのかもしれないが、高原の散歩道のような雰囲気が続く。
だが残念ながら黄葉は鈍く乾いて、ほとんど落葉してしまっていた。

七ツ石尾根と呼ばれる尾根を下ると、次第に夕陽が雲間から射し始め、広葉樹の紅葉が生き生きと輝きはじめた。
遠い山の斜面のカラマツの黄葉も綺麗に見える。

降り積もった落ち葉を軽快に踏みながら下る晩秋の尾根道で、綺麗な彩飾を求めて前を歩く御二人の後ろ姿に 長年の友情で結ばれた豊かな絆を感じる。


4、丹波 道の駅

帰りはKさんがお酒を飲まれるという事で道の駅に寄る。

外のベンチに座り、師匠がタブレットでいろいろな山行写真を見せてくださった。
ホロ酔いのKさんが日本酒を勧めて下さり、ちびりちびりと飲みながら夕暮れのひとときを過ごす。

三ノ瀬から下りる途中のキャンプ場入口で撮影した見事なモミジの紅葉をお題にKさんが一句詠み、自分も調子に乗って「この句は日記に載せます」とお伝えしたのだがすぐに忘れてしまった。
確か最後は「…… 星空や」だったのだが。

自分は道の駅で「こごみ笹竹」を買い、車は一路、拝島駅へ。
車中では御二人の北海道旅行や松島旅行のいろいろなエピソードを聞かせていただいた。

また いつか是非3人で山を歩きたくなった、そんな愉しく思い出深い晩秋の山行となった。


山行アルバム(写真40枚)

http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000101175894&owner_id=12844177


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(現 事務局長)


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