放射性物質を扱う場合や、放射線発生装置を使う場合に最初に被ばくに関する教育を受けるとき、
取り扱う以上、被ばくは避けられないのだが、時間を短くする、線源からの距離を取る、ということで、作業者が最小限の被ばくで済むように教えられる。
非密封線源の場合は、直接身体に触れないことや、吸気や食物と一緒に体内に取り込まないことも留意点の一つ。
ノウハウは、教わったことのある人ならある程度わかるはず。
わかるはずなのだが、原子力研究所で講習を受けているとき、二人一組での作業では、一人だけが手袋を使う、というルールの意味も分からないのか、二人とも手袋をしているグループがあった。
なお、私が、使う器具を共洗いしようとすると、
「すでに洗ってありますから」
と、言われたが、
他人がやtった洗浄を 「信じて作業をしろ」 ということは、どこの大学でも教えていないはず。
実験をするうえで、自分で、もしくは、自分のグループで信じられる行程を踏まなければならない。
原子力関係者の無能さは、今に始まった話でもなく、この講習を受けていたのは1995年ごろだったと思う。実験は机上でできる、とでもおもっていたのだろうか?
正直なところ、有能な人は、もう原発の現場になどいなかったし、さっさとほかの研究に進むのが当たり前だった。医療関連とか、当然だが予算も下りやすいし、人の命を救うための研究だから、研究者のモチベーションも上がりやすい。
原発事故に関していえば、「距離」の側が結果的には生きている形となっている。
良く、原発が安全だというなら東京湾に作ったらよい、という意見を聞いたものだが、
万が一事故が起こったときのため、最初から都市部から離れた場所に建設をした。
実際には、事故で爆発したのは4基だから、万が一どころではない、 54分の4、 という高い確率で爆発事故が起きているのが事実。
一生懸命この事実を否定しようとしたり、被ばくは身体には悪影響がない、という論理を展開させようとする人がいて、日本ではまともなことをはっきり言えない。
原子力発電所の事故は数えあげたらきりがないが、爆発して制御不能になる、という事実はもう動かしようのない事実である。
本来なら、そうなる前に止めるべきものだったし、止められる技術があるはずだった。
けれど、海からのアクセスを良くするために、わざと海面から低い場所に設置するという、まああきれてものが言えないようなことをやっていて、それでも 「安全」 と主張していたのが福一の事故が起こるまでの常識だった。
飛行機事故なんかと比べると分かり易いのだろうが、飛行機が墜落した場合、多くの乗客が死ぬケースはある。実際に日本航空は羽田沖で墜落させたり、御巣鷹山にジャンボ機が墜落したりして、二度も倒産している会社であるが、それでも飛行機は毎日飛んでいてそして乗っている乗客がいる。
破局的に分かり易い飛行機事故であっても、それで死ぬ確率は、道路を歩いていて車に轢かれて死ぬ確率より低い。飛行機事故を心配する前に、車に轢かれないように注意することの方が命を守るためには重要だと言える。
けれども、原発事故は、現状でも収集が付かない状況であるし、元々過疎地であったとはいえ、人の住めなくなるぐらいの汚染を広大な地域に作ってしまった。
そして、私自身は、誰に頼まれてももう東京には住みたくないと思う。 汚染エリアから離れていることで、様々な危険を回避しやすくなるのだが、一番の利点は食品の問題だと感じる。
食べても大丈夫だと、政府は言っているし、まあそれはおおよそ正しいのだろうけど、稀に基準値を超えている食品が出回っていることはある。
最初から産地を良く確認すれば、その食品を口にする確率はうんと減らせることは間違いのない事実で、汚染エリアに近ければ近いほど、まぎれてでも口に運ばれてしまうものは多いと感じる。
今となっては、わからなくなった話だが、静岡県のお茶は 2011年にはほぼ壊滅的な汚染状況だったが、測定方法を変更することで出荷できるようにしてしまった。こんなことをされるから信用は無くなるし、いつまでたっても風評被害と言われるものが存在する。
結果的に、永遠に静岡県産のお茶は避ける習慣がついてしまった。
(人にはプレゼントしたりはするが、自分では買ったり飲んだりはしない。)
だから、風評被害は、政府主導で人が作り出したものだと私は考えるし、そう考えている人が産地によって食品を避ける行為は、この先何十年も続くだろうと思う。ちゃんと検査されているかどうか? ということを考えることなく、汚染地域でない場所のものであるなら、無条件に買えることにことになってしまうからだ。
地下水位が上がれば、当然だが汚染水は海に流れ出てしまう。
もう、タンクに溜めておく方法も限界に近いだろう。
そもそも、核燃料がむき出しで環境中に露出するという事態が、きちんと研究されてきたわけではない。
実験だって、閉鎖された空間で行ってきていたし、管理区域と外の世界を行き来するのは、とても面倒な検査をやっていたのだから。
そうやって、まじめに放射性物質を管理していた時代が、懐かしくさえ思える。
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http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4208546
東京電力福島第1原発で、敷地内の護岸付近の地下水の水位が、地表(海抜約4メートル)まで上昇する状態が20日以降続いている。東電は、汚染された地下水の一部が港湾に流れ出た可能性があるとしている。汚染地下水が地表に噴き出さないよう、くみ上げポンプを追加して対応していたが、相次ぐ台風接近と長雨で対応は及ばなかった。
高水位となっているのは、護岸の埋め立てエリア。山側から海側に流れる地下水は、昨秋に完成した鋼鉄製の「海側遮水壁」(長さ780メートル)でせき止められており、通常は遮水壁の陸側にある五つの井戸(地下水ドレン)などからくみ上げ、水位が地表面より約50〜150センチ低くなるよう管理している。7月には、水位観測用の別の五つの井戸のうち二つにポンプを取り付けてくみ上げ能力を強化していた。
東電によると、高水位の兆しが出たのは8月末ごろ。台風10号が県内に近づいた同30日午後4時には観測用井戸の水位は地表の下約28センチまで上昇。今月上旬にも降雨の影響で、水位が地表に近づいた。台風16号の影響による雨で20日以降も水位が上がり、同日午後9時57分に地表面に達した。井戸の最上部は地表から約60センチで、21日午後6時59分には水位が地表を約5センチ超えた。水位はその後も上下し、22日午後までに2回地表面に達した。
東電はこの間、さらに二つの観測用井戸からポンプ車で地下水をくみ上げるなど対応を強化。水位観測用に残した一つの井戸は汚染地下水があふれた場合に備えて、周囲に土のうを積んだ。井戸からの流出は確認されていない。21日に港湾内2地点で採取した海水からはセシウム137が1リットル当たり95ベクレル、同74ベクレルと、2013年の観測以来の最大値となった。東電は「雨により表層土が流れ込んだことが主な原因とみられる」としている。
東電は「(今回の雨は)特異な状況」と分析。今後は同エリアで地表面のフェーシング(舗装)や舗装しにくい斜面に屋根を取り付けるなど、地下水の増加を防ぐ対策を続ける。ただ、これらの対策は今までも実施してきており、降雨量の多い季節に向けた抜本的な対策を今後迫られることになる。23日の定例記者会見で東電の川村信一・福島第1廃炉推進カンパニー広報担当は「すでに社内で検討を始めている」と述べた。【曽根田和久】
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