届いてみれば一気通貫になる

今回は自分用のいつもの資料の備忘録（＾＾；

先日、某所で出品されていた戦車第二大隊アルバムは、印刷アルバムながら始まり値が千円とかではなくそこそこ値の張るもの。セラーの他出品や履歴を見てもコレクターではない、と言うかただのリサイクルショップ。

よくありがちな勘違い値付けってやつ？

ただ幾つかのサンプル画像を見る限り悪くなさそうだし、そもそも戦車第二大隊の公式アルバムという点からも例え戦車写真がクズでも、アルバムの存在としては意味もあるし、最近は印刷アルバムでも戦車や空挺部隊は競られたらこの始まり値の数倍は行くので、博打で付けてみたらそのまま落札ｗ（写真左）。

改めて届いたブツを見ると今田部隊のちゃんとした記録アルバムで、徐州作戦を含む中支での八九式中戦車写真も多く掲載され、十分元は取れる内容で満足。中にはノモンハン戦以外にも乙型が？と思わせる様な写真もあって面白い。



また珍しい八九式中戦車整備風景写真やこれまた当時は珍しい敵の機関砲でダメージを受けたり、完全に破壊された写真もあって興味深い。





そして現在絶賛編集中の九四式軽装甲車写真も幾つか有り、良さそうなものは新刊の台割に即採用！



またこの戦車第二大隊アルバムには、徐州作戦を含む中支での各戦闘の詳細な地図が付随していて、むしろ写真以上に参考資料になったり。



この結果に気を良くしたので、同じセラーの他出品もチェック。そうすると、単に今田部隊アルバムとしか書いていない出品で、サンプル画像も良くわからないアルバムがあり、これまた破格の始まり値。

「あれ？これって戦車第二大隊じゃね？」


そこで2度目の大博打を打ち、またもや始まり値そのままで落札（写真中）。

着いてみたら案の定、戦車第二大隊アルバムで中国大陸の八九式中戦車写真も多く当たりだったがそれ以外にくろがね四起の写真も結構あったのがタイムリーで嬉しい。







中には、中支戦線で撃破されて土中に埋められていた戦車第二大隊所属の八九式中戦車を掘り起こして櫓で引き上げ、分解して運び去る一連写真も。





自動貨車（軍用トラック）の荷台に載せられてドナドナされる、撃破された八九式中戦車の砲塔が…南無。



しかし、最大のヒットは、その中に幻のSRII水陸両用戦車写真を数枚見つけて

朝から鼻血ブー！（死語



たまたま通りかかったので、珍しくて撮った雰囲気の写真でした。まあ、中支戦線での具体的な試験運用を示す貴重な証拠写真でしょうか。

左写真のスキャンjを追加。主武装の13mm機関砲や砲塔上で開いたトルコ帽型の展望塔、迷彩塗装もバッチリ。これで次のJタンク記事は決まり(^ ^;



こちらは右写真の八九式中戦車に牽引されるSRII水陸戦車。プリントは裏焼きだったのでスキャンして反転、画像補正してみると車番は「いせ729」で「いせ」ならこのアルバムの持ち主の戦車第二大隊今田部隊で所属車である可能性も。



いや、これだけで十分元は取れました、ありがとうございますｗ。

ここまで来るとこの鉱脈に確信を得たので、さらに同一セラー出品の近衛第一連隊歩兵学校アルバムのサンプル画像に八九式中戦車がちらりと見えたので、これもドンブリな始まり値にも関わらず、迷わずビット。

そうして届いたブツを確認すると、先の２冊と同じく戦車第二大隊今田部隊のとある准尉が近衛第一連隊下士官時代と歩兵学校在籍中の個人アルバムと判明（写真左）。つまりこの3冊は同一人物からの出所。

そして当然の様に歩兵学校アルバムにも関わらず、異様に戦車分の多い内容で満足。また旭川での雪中訓練写真は何か見覚えがｗ。





しかし、このアルバムのビンゴはそれだけではなく、これまた珍しい初期の装甲作業機（SS機）甲型の写真が数枚見つけ、しかも乙型の様な溶接構造で特殊装薬装置や超壕橋の装備も見られて

またもや鼻血ブー（笑



もうこうなったらこのセラーの旧軍アルバム出品は根こそぎ押さえてしまえ、と印刷ものながら昭和17年3月のスラバヤ入城記念アルバムも始まり値も気にせず落札。

その中の上陸後の進軍写真「変装！」でオランダ軍装に着替えた切り込み隊の写真があって眼が点に。

和製ブランデンブルク部隊や！



そして必然的にこのアルバム見返しに書かれた持ち主の名はやはり戦車第二大隊の准尉と同じ名前で、結局、一気通貫で終わったというオチ。

結構長いこと資料集めをしていますが、こういうこともあるものだと妙に納得した飛び石連休でした。