「まだまだこんな面白いゲームがあるんだ!」という発見に満ちている所がトランプの凄さなのです。このデュラックは以前から気になってはいたのですが、ゲームファームでの紹介はぞんざいだし、Board Game Geek でのランキングも微妙だし、適正人数もよく判らなかったのでその後はスルーしていたのですが、改めてデュラックの紹介ブログを読み漁っていると気になる文章が。
「チェスの元世界チャンピオン カルポフやプロのカードプレーヤー ジェレズニャコフによると,2 人勝負のドゥラークは,最も知的に難しいトランプゲームのひとつです」
そこで取り敢えずはデュラックの無料アプリをダウンロードして、Androidとの2人プレイを試して見た所が、戦術はよく判らないけれども得体の知れない面白さがあります。ネット対戦も出来るので試して見ると、4人プレイでのチーム戦か個人戦しか出来ないみたいで、しかも攻守が入り乱れて何が何だかよく判らない内に終わってしまいました。Board Game Geek によると2〜6人まではプレイが可能との事ですが、適切なプレイ人数は2〜4人で、しかも適正人数は4人となっています。つまりは2,4人が面白いという事なのでしょう。戦略的なプレイが出来る様になるまでにはかなりの時間を要しそうですが、これはマスターするに値するゲームではありますね。
使用するカードは36枚(A,K,Q,J,10,9,8,7,6の各4枚)で、広義のトリックテイキングの要素はあるものの、ハゲタカのえじきやティチュー等とは又違ったプレイ感で、手札を早くなくす事が目的なのでストップ系の要素もあるのですが、こうしたゲームはビーティングゲームに分類されるそうです。ゲームファームでは「ビーティングゲームと大貧民系以外で手札をなくすのが目的のゲームをここではストップ系としておきます」とあります。まあ判り辛い定義ではありますが。それとこのデュラックには今流行のデッキ構築の要素もあって、ロシアにおいて長きに亘って君臨し続けて来たプレフェランスを抜いて新たな国民ゲームとなったのも頷ける出来映えではあります。このゲームの素晴らしい所は、日本デュラック協会の管理人である深海誠氏の次のツイートに言い尽くされていると思いますので、引用させて頂きます。
「管理人がなぜデュラックが好きかというと、ルールがとても自然で美しいからなんです。普通のトランプを36枚使うだけで、役も点数もない。8切りや革命みたいな例外も皆無、かけ声すらなくていい。それでいてやり始めると深い。このエレガントさはバックギャモンにも通ずるところがあります」
さあ貴方も、デュラックを始めて見ませんか
ルールについてはここを参照の事
練馬おやこボードゲームの会
https://sites.google.com/site/tambourinedc/cards/durak
※ 但しターンオーバーの説明が明らかに間違っていますね…。
※ 私のプレイしているアプリでは、最後に6を2枚以下で上がった時にはエポレットといって引き分け、6を3枚以上で上がった時には勝ちとなっています。
ドゥラークまたは“ばか” (1) 基本ルールとバリエーション
http://kzpn200.blogspot.jp/2013/08/blog-post_6.html
戦略についてはここを参照の事
ドゥラークまたは“ばか” (2) 戦術
http://kzpn200.blogspot.jp/2013/10/2.html
包括的デュラック戦略ガイド
https://dl.dropboxusercontent.com/u/22703318/duralstrategy.pdf
日本デュラック協会
http://japandurak.blog.fc2.com/
実際のプレイについては、ここを参照の事
https://www.youtube.com/watch?v=fsm4d-N_4GU
面白いトランプ・ゲーム20選
1st Stage
2人/スコパ
2人/ジン・ラミー
3〜4人/ファイブ・ハンドレッド
4人/ハーツ
2nd Stage
2人/クリベッジ
2人/ピケ
3人/ナインティ・ナイン
4人/スペード
3rd Stage
2人/スパイト・アンド・マリス
3人/ミットレール・ヤス
4人/ブロット
5人/シープスヘッド
4th Stage
2人/デュラック
2人/シュナプセン
3人/スカート
3人/ウルティ
4人/ドッペルコップ
4人/【ティチュー】
5th Stage
4人/コントラクト・ブリッジ
2〜10人/ポーカー
デュラックは間違いなく2人用のトランプ・ゲームの最高傑作なのですが、私が面白いと思うのは、トランプでは主要なシステムであるトリックテイキング・ゲームではなくて、まさかストップ系(手札を先に失くした方が勝ちとするゲーム)のシステムの中から生み出される事になろうとは、という所なのです。ここで人数別のトランプの最高傑作を挙げて見ると、
2人/デュラック
3人/スカート
4人/コントラクト・ブリッジ、【ティチュー】
5人以上/ポーカー
…となるのですが、ここで言う最高傑作とは、運の要素がありながらも最も技術を要するゲームであるという事です。コントラクト・ブリッジはそのトリックテイキング・ゲームなのですが、ビッドのシステムを洗練させる事によってその地位を得る事が出来ました。トリックテイキング・ゲームのシステムだけだと、結局はトランプではスカートまでしか生み出す事は出来なかったと言えるのです。スカートが技術を要するゲームと言うよりも、寧ろギャンブルゲーム(つまりは運の要素の強いゲーム)寄りである事はよく知られています。即ち、微妙な位置にあるゲームだという事ですね。因みにポーカーもギャンブルゲームと呼ばれる事があるのですが、こちらは歴とした技術を要するゲームです。チップを用いて、投資のシステムを導入する事によってその地位を得る事が出来ました。つまりはコントラクト・ブリッジとポーカーは、共にカードは確率を演出する為のシンプルな道具として、カード以外の所を洗練させる事によって最高傑作となり得たのでした。要するにこれがトランプ・ゲームの限界なのかと思われた所に、まさかのストップ系の中から最高傑作が現れたという訳なのです。
これは正確に言えば、広義のトリックテイキングの要素のあるストップ系(つまりはビーティングゲームと大貧民系)という事になるのですが、ビッドやチップといったカード以外の物に重きを置いたり、或いは複雑な得点体系を築く事なく、シンプルなルールの儘に最高傑作が生み出されたという事実は、ストップ系のシステムにはまだまだ潜在能力があるという事なのかも知れませんね。因みに4人用のトランプ・ゲームの最高傑作として、コントラクト・ブリッジと共に挙げているボードゲーム(カードゲーム)のティチューは、この大貧民系に当たります。
しかし上記はトランプに関して述べた事であって、ティチューの様なボードゲーム(カードゲーム)の世界においては、今までにないカテゴリーから続々と傑作が生み出されているのです。例えば2人用のカードゲームであれば、
【Battle Line(バトルライン)】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1925415404&owner_id=9724239
【Lost Cities(ロストシティ)】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1925415627&owner_id=9724239
或いはトリックテイキング・ゲームであれば、
【Wizard(ウィザード)】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937284367&owner_id=9724239
【Sticheln(スティッヒルン)】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928633585&owner_id=9724239
【Bottle Imp(ボトルインプ)】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937284566&owner_id=9724239
等については、技術を要するゲームとして、間違いなくスカートを超えていると思います。尤も、スカートにはスカートにしかない面白さがあるからこそ、やはり貴重な存在ではあるのですが。
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