今日は新宿ネイキッドロフトで開催された「未公開自主映画祭 第一回 キャラクター特撮編」に行ってきました。
これは、その名の通り、完成しなかった自主映画を上映するのですがw
まあ「キャラクター特撮編」なら、目玉であるヒーローと怪人の戦いとか、怪獣の大暴れとか、見せ場だけを撮影して力尽きちゃう場合があるので
未完成でも、見せ場はあるかなと思って行ってきました。
新宿ネイキッドは超満員。
まず、司会のガイガン山崎さん
ゲストの坂本浩一監督
坂本監督の映画によく出演されている、キャッチャー中澤さん。
壇上の、この3人の進行が、凄く良かった。
出品作品を、バカにしたり貶める事なく、愛を持って弄り倒して、嫌味なく笑えた！
ハッキリ言って、未完成だから、バカにして笑いを取る方が楽だと思うのよ。
そこを、あえて「未完成だからこそ、貶めない」
運営・進行側のスタンスが、凄く良かった。
さて、全体的な感想としては。
「最近の自主映画、レベルすげぇなあ」
考えられる要因は二つ
�〇１峠螢轡好謄爐硫鯊里砲茲蝓▲廛蹐留撚菴佑�フリーになり、現場経験のあるプロが自主映画を作っている
いつもは商業映画のお仕事して、休日は趣味の自主映画で「監督」をするパターンですね
�▲妊献織覽蚕僉▲僖愁灰鹽�の普及で「アマチュア」のレベルが上がっている
撮影をiPhoneで、編集をパソコンで、キャスト集めはSNSで、と便利な時代になり、そつない出来になっている。
あと、今の子は、膨大な量のソフトを見ており。
特に、ギャグに関する感性は磨かれている気がする。
出品全作品のレビューをしてるとキリがないので、ここでは気になった作品だけ
「怪獣出てれば特撮ですか」
プロ参加作品代表。
これは斬新！
二大怪獣と防衛軍の戦いを描いた「ラフな絵コンテ」に、本格的な効果音とBGMがついている！
アニメでいうところの「コンテ撮」に、さらにセリフをテロップで入れたもの。
つまり、ちゃんとしてるのは、「効果音とBGM」だけで、あとは紙芝居なのだが…
これが不思議な事に、自然に頭の中で、動く怪獣の映像に補完される！
人間の脳が、いかに音に影響されるか。
作ったのはプロの音響屋さんで「最初に音ありき」のアイデア。さすが！
「ザ・ウェイ・オブ・ザ・フィルムディレクター」
アマチュア部門代表。
自主映画を撮影しようとするグループが、屋上に来るが、邪魔な人がいるのでどけようとするたびに…という、「自主映画あるある」コメディ。
あまりに巧みなんで、最初はプロが撮ったのかと思ったら、映画学校の学生さんだって。
撮影に邪魔な人の所に行って、どいてくれる様に頼み上手く行くが、それは主人公の妄想で現実は…というギャグの繰り返し。
「桐島、部活やめるってよ」辺りの影響下にあり。坂本監督も構成力を評価してましたが。
ナイフを持った不審人物が、屋上にいる全員を人質に取るという「おいしい所」でプツッと終了。
キャストが多く、スケジュールが合わない為、撮影が出来なくなったそうです。
「そういう時は、スケジュール合わない人の役から殺してっちゃえばいいんですよ」と司会のガイガン山崎さん。さすが！
俺的グランプリ
「非公認仮面ライダーフリーター」
前述の「ザ・ウェイ・オブ・ザ・フィルムディレクター」とかは、上手いけど、自主映画ならではの、アクの強さはない訳ですよ。
その点、この作品は凄い。
タイトル通り、仮面ライダーのパロディだけど。
スタッフ、キャストが1人(爆笑)
主演兼監督が歌う主題歌をバックに、延々、同じ名前が映し出されるオープニングクレジット。
ヒロインも、監督兼主演の女装(笑)
それで、主人公とヒロインが「遅刻、遅刻」と走ってきて、曲がり角でぶつかるシーンやるんだぜw
会話シーンはカットバックや、手前に服や靴を置いて対峙してる様に見せる事で処理(爆笑)。
怪人も同じ人ですが、さすがにライダーと怪人が戦うシーンは、後輩にラーメン奢って怪人の中に入って貰ったそうです。
撮影は、iPhoneの自撮りか、カメラ置いて回しっぱなしだって。
ちなみに、この主演兼監督、イケメンで女装もそれなりに見れちゃうから使える技ですな。
完全なる個人映画なので、自意識過剰な1人語りのメッセージが長いのだが。
そこを島本和彦よろしく、キッチリと自虐ギャグにしてるのが今風。
仮面ライダーの衣装も、コスプレイヤーのサイト見て(笑)頑張って作ったんだって。
目を電飾で光らせたら、マスクの中が熱かったとか。
ちなみに、「仮面ライダーフリーター」は、ベルトにタイムカードを挿して変身し、「残業、夜勤大歓迎！仮面ライダーフリーター！」の口上と共に指でＦの字を作るなど、それっぽい。
今まで体験したバイトのフォームにフォームチェンジ可能(笑)
最後に、予定にはなかった、坂本浩一監督への質問コーナーで終了。
実践的な撮影テクニックを真摯に説明する坂本監督に頭がさがる。
来場した、それぞれの自主映画の監督同士の交流の場としても機能したイベントだった。
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