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2016年08月21日09:18

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青リンゴは青では無くて(色彩と感覚)

「青は食欲減退色なので食品パッケージには御法度」
確かにそう学校では習ったよ。いやパッケージなのはワシが工業デザインだからだけど。
まあ、レストラン関係の什器、インテリアとか照明とか、もろもろの目に触れるもの全てに適用。
当たり前のように、青く着色した食品はダメと言う「知識」があった。

だがアメリカでは、青い食品に抵抗感が少なくジャンク菓子などにべったりと青い色をつけてあるのは珍しくない。アメリカ経由でそういうのが輸入された発展途上国でもその傾向はある。
アメリカが異常なのか…

実際に食用のナチュラルな色を考えてみると、青を発色する色素はアントシアニンとかなんだが、これは食品に普通に含まれる。例えばナスなんかは大量に含み、一夜漬けにすると鮮やかな空色になったりする。コレを見て食欲が無くなるだろうか。
他にはベリー類、特にブルーベリーはその名の通りとても青い。カシスや葡萄にもある。
葡萄から作ったワインやジュースも品種によっては青になる。
ただ、赤いワインの色のほうが安定性はあるけれど。

また、紫イモにもアントシアニンは含まれる。ただし、大量に摂取しても特別な効果は無いので騙されないように。単なる青い天然色素だ。w

まあ、そういうワケで青色の食品は自然に存在するのに、日本のデザイン業界では昔は御法度にしてたワケだ。最近は飲料とか菓子類などのパッケージに使用されるコトもある…
これについて詳しい研究をしたワケでも、そういう研究をした人の説を読んだワケでも無いからあんまし確からしいコトは言えないが…

ひとつには言葉の問題があるかも知れない。
やまと言葉での「あを」は、基本的な色彩を表す言葉ではある。日本人の根源的な色彩感覚ではまず、けがれない良きモノとしての「しろ」、暗い…「くろ」、明るい…「あか」があって、それ以外の青、緑、紫、茶、灰とか結構な範囲の色に「あを」が当てられている。
まあ、日本人は中国から漢字を輸入するまで字が無かったから、記録が無くてわからない部分が多いんだけど。w
中国語の青は青だ。しかし中国語にも蒼、碧、など別な「あお」がある。それもまた古代には色彩を正確に表す指標がないのでどの程度の範囲に用いてたか分からない。
それゆえ、日本人が用いた蒼がどういう色だったかは結局分からないワケだ。w

ただ記録が残ってないと言うだけで、連綿と続いてきた日本人の歴史は…ご先祖様があちこちからやってきて定住を始めたのは4万年前くらいだと思うけど、そこからずっと練り上げてきた言葉は文化そのものであって、日本人の文化や感覚に深く、深〜く根ざしている。

現在使っている言葉でも「青物」と言ったら、緑色の野菜を示しているが、「青魚」と言ったら、本当に青っぽい魚を示している。青臭いは緑かな。w 無意識的に範囲は広い。

赤青黄緑橙紫、原色が鮮やかな配置でいろとりどりになっているのを見ると日本人は子供っぽいとか、下品とか言う言葉が浮かんでくる。
中国から入ってきた仏教文化なんかにおける色彩感覚は日光東照宮的な、ど派手なモノであったが、旧いところでは、それが白茶けるまで放置して、その枯れた風情がよいという…日本固有とは言わないが、そいう系の感性を持った文化なのであろう。

まあ、そういうワケで、食品に含まれる色素としても、言葉にあわされる色彩にしても別段「青い」食品が排除される根拠は無い。

…これは多分アレだな。舌先の位置によって味覚を識別する部分が分かれていると言うデタラメが長いこと常識としてまかりとおってたのと同じで、ひょっとして根拠が無いんでないか。w
無いんだけど、今度はその「常識が」感覚を浸食してしまったと…


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http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=4152153
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