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2016年08月14日06:17

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[趣味]津軽双花

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勝手に週刊連載TL「俺の本棚」第27回。
今回はこれ。
葉室麟さんの『津軽双花』。
表題作のほかに3編、全4編の短編集です。


表題作「津軽双花」は、徳川家康の姪・満天姫と、石田三成の娘・辰姫が主人公。
津軽藩に嫁いだ2人の「女人の関ヶ原」がテーマ。
反目し合いながらも、いつしか「戦友」となっていく様は、実に見事な描写でした。
津軽出身としては、かなり嬉しい。


2編目「鳳凰記」は、秀吉の正妻と側室である寧々と茶々が主人公。
秀吉亡き後、大坂の陣に至るまでの寧々たちの心積もり、覚悟を描いた作品。
その「義」は、続く第3編「孤狼なり」の主人公、石田三成に通じるものがあります。
三成が関ヶ原の戦いに挑んだのは何の為か。
その為に敢えて捨て石となることさえ厭わない、これもまた見事な武人ぶりでした。

そして4編目「鷹、翔ける」は、本能寺の変に至るまでの過程を、光秀の家臣・斎藤内蔵助利三の視点で描いた作品。
内蔵助は本来の美濃の国主・土岐家に使えた守護代の家系であり、土岐家の流れを汲む光秀に信長を討たせ、美濃を取り戻すことを悲願としていた。
一説には本能寺の変の黒幕とさえ言われる内蔵助の生き様、或いは散り様を描いた作品。

どの作品も良かったけど、やっぱり表題作が一番好きかな。
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