【ゴジラvsキングギドラを語る】
俺が事ある毎に、「ゴジラvsビオランテ」を絶賛している事は、皆さんご存知だと思いますが。
もともと「vsビオランテ」は、ガラガラの蒲田東宝で、貸切に近い状態で見て。
あまりの面白さにビックリして、大学のオタク仲間に、「いや信じられないだろうけど、今度のゴジラ、すげぇ面白いから!」と、三、四人引き連れて行ったら。
「ホントだ〜」と、上映終了後、みんなで興奮して、話し合ったのを覚えております。
その「vsビオランテ」のスタッフがそのまま、翌年に「ゴジラvsキングギドラ」を作ると聞いたから、さあ大変。
ビオランテを見たメンバーで、今はなき浅草東宝の先行オールナイトに行くという、もう期待値マックスの状態だった訳ですよ。
「今回も、大森一樹が監督・脚本なんでしょ?じゃハズさないよね〜」
この時点では、「これから毎年、面白いゴジラが見られるかも!」と思ってたのです。
そして上映終了後。
オールナイトにも関わらず、最初の一回だけ見て、映画館を出た僕達がいました。
「これ、ホントにビオランテと同じ人が作ったの?」
ゴジラの抹殺と、それに代わる生物兵器キングギドラの創造を、タイムパラドックスで行うというストーリーは(パラドックスに矛盾だらけだが)、野心的だと思う。
キングギドラ→メカギドラへの形態チェンジや、「ギドラが善、ゴジラが悪」という、昭和との価値観の逆手も興味深いし。
なによりも、当時、出来たばかりの新宿の都庁を破壊するラストバトルは凄かった。
なら、我々は、何に失望したのか?
「vsキングギドラ」からは、「vsビオランテ」にあった、「平成ガメラっぽい要素」がゴソッと抜け落ちていたのである。
(もちろん平成ガメラより前の作品ですけどね)
「大人向きの和製特撮映画が見たい」→「セックスシーン入れりゃ大人向きって訳じゃないんだよ!」みたいな不満に長年、晒されてきた我々、日本の特撮マニアの。
「あのー、大人向きとまでは言いませんが、せめてスター・ウォーズとか、インディ・ジョーンズくらいの対象年齢の作品は無理ですかね。あっ、女優のヌードとかセックスシーンは、いりませんから」という要望に応えたのが、「vsビオランテ」だったのですよ。
「大森一樹、前のがマグレだったのか?」と思ったが。
なんと!「キングギドラ」は「ビオランテ」の1.5倍の観客動員数を記録した、大ヒットになったじゃ、あーりませんか(懐かしい)。
その後の、「vsモスラ」「vsメカゴジラ」の作風を見ても。
「あっ、これはもう、東宝が、確信犯的に、子供向けにしている」と。
そして、対象年齢が下がると同時に、どんどん上がって行く観客動員数。
この時期のゴジラは。
今で言う、ポケモン映画みたいになっていたのです。
(儲かるのも一緒)
まあ、あれだけ評価された平成ガメラも。
興収は、この時期のゴジラの半分以下ですからね
ダメか?
子供向けでないと、ダメなのか?
翌年の、「良いモスラ、悪いバトラ、普通のゴジラ」を揃えた「ゴジラvsモスラ」は、アクションのつるべ打ちで、まあ嫌いではないのですが。
その後は、「マニアックな怪獣が出て、有名な建造物を壊すぞ!」「また光線の撃ち合いかよ」「でも特撮セットはバカみたいに広いなあ。さすが東宝」みたいなのの、繰り返し。
合間に「ヤマトタケル」とか挟んで、まあヤマトタケラーの皆様には申し訳ありませんが、ゴジラと同じ様な出来だなあ、とか思ったら、翌年、平成ガメラが来ちゃって、「もうコレでいいじゃん!」と思ったのを覚えていますよ。
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